大正時代の帝都が舞台。悪党を食い物にする詐欺師の物語『帝都上野のトリックスタア』徳永圭さん【ナゴヤビトブックス #22】
ナゴヤに縁のある様々なジャンルの書籍を著者へのインタビューを通じてご紹介する「ナゴヤビトブックス」。第22回は、徳永圭さん著書の『帝都上野のトリックスタア』(講談社タイガ)をご紹介します。
――徳永さんのご経歴を教えてください。
名古屋育ち、名古屋在住です。2011年に『をとめ模様、スパイ日和』(産業編集センター)で第12回ボイルドエッグズ新人賞を受賞し、作家デビューしました。
――本の執筆を手がけられるようになったきっかけは何だったのでしょうか?
幼いころから絵を描くのが好きで、ずっと少女漫画家を目指していました。25歳くらいまで投稿を続けていたんですが、年齢的に限界を感じ、一度断念。でもやっぱり何かお話を作りたくて、画材は処分してしまっていたので、パソコンがあれば書ける小説に挑戦してみました。
それで書き上げた初の長編小説が、デビュー作の『をとめ模様、スパイ日和』です。少女漫画家志望者を主人公にした作品でデビューできたので、振り返ってみれば、それまでの経験も無駄じゃなかったということですね(笑)。
振り返ってみると、きっと意味があったのですね♪
大正時代の帝都が舞台。
悪党を食い物にする詐欺師 ”帝都の掃除人” の物語
――著書『帝都上野のトリックスタア』はどのような内容でしょうか?
舞台は大正十年、文化隆盛に華やぐ東京。行方不明になった姉を捜す少年・勇は、ある日、若槻・ウィリアム・誠一郎と名乗る紳士に出会います。一方そのころ、帝都にはこんな噂が。「悩める人々を救う、裏社会の掃除人がいるらしい」
ウィルは何者なのか?姉の行方は?そして勇にもまた、ある大きな秘密があり……。
大正時代の帝都を舞台に、元詐欺師たちが悪党を討つべく暗躍します!
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――この本を出版したきっかけは何だったのでしょうか?
数年前に日本推理作家協会に入会した際、会報に載った「入会のご挨拶」を目にした編集者が声をかけてくれたのがきっかけです。「学生時代にミステリーにどハマりして~」というような内容だったので、それならミステリーを、とご依頼いただきました。
――著書『帝都上野のトリックスタア』の裏話をお聞かせください
実はプロット段階では、普通に現代を舞台にしたお話でした。
本作はミステリーの中でもいわゆるコンゲーム(騙し騙され)ものだと思いますが、それだけではパンチに欠ける気がして、思い切って時代を移すことに。大正時代のレトロな雰囲気が内容にもうまく合った気がしますが、執筆は格段に難しくなっちゃいましたね……。
お話をお伺いし、この時代のことをかなり調べて書かれたのだなと知ることができました。
時代ものは初めてだったので、何から何まで手探りで(苦笑)。でもそのおかげで、現代以外も舞台にできるんだなと自信がつきました。
11月8日、美味しいフランス料理が登場する小説『ボナペティ!』シリーズ第二弾が発売!
―― これから書いていきたい本はどのようなものでしょうか
2022年11月8日に、『ボナペティ!臆病なシェフと運命のボルシチ』(文春文庫)の続編の、『ボナペティ! 秘密の恋とブイヤベース 』(文春文庫)が出ました。シリーズ化はこれが初めてなので、ぜひたくさんの方に楽しんでもらえたらいいなと思います。
「ボナペティ!」というのは、フランス語で「めしあがれ」「どうぞお食べなさい」といった意味なんですよね♪
第二弾は、「秘密の恋とブイヤベース」。どんな物語に、どんな美味しそうなお料理が添えられるのか、拝読するのが楽しみです♪
他にもこれまでどおり、明るいものからビターなものまで、いろいろなテイストの作品に挑戦していきたいです。
――徳永さん、ありがとうございました!新刊の発売も嬉しいですし、ますます徳永さんのワールドに引き込まれそうです♪ これからも色々な作品を拝読できるのを楽しみに、応援しています!
徳永圭さんの公式情報はこちら
Twitter:https://twitter.com/kei_tokunaga
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