機能性とデザイン性を兼ね備えたヨーロッパのブランドを採用〔O邸(02)〕
最初の入りとして、クライアントの立っての要望でドイツの「GAGGENAU」(ガゲナウ)の食洗機を導入したいというのがあった。予算等の都合上途中に妥協案も出た事もあったが、最終的にはここに落ち着いている。
以前に書いた事のある、こちらもドイツのブランド「Miele」(ミーレ)と並ぶトップメーカーではあるが、今回のGAGGENAUには独自の特徴・機能を搭載していて、まずその一つが「エクストラドライ機能」。海外の食洗機を使う上でどうも心許ないのが乾燥機能である。
国産の食洗機のようにファンを使った温風で乾かす仕組みではなく、熱湯洗浄した余熱で自然乾燥させるので、どうしても水滴が残りやすい。
エクストラドライとは洗浄段階での湯温を通常より5度上げる事により、食器の畜熱を上昇させ、水分の蒸発を促進させる機能。それにプラス「ゼオライト」という庫内の吸湿・発散機能を向上させる鉱物を内蔵させている。
ミーレの「オートオープン乾燥機能」のように洗い終わりに外気を庫内に入れ、風通しを良くする事はしないので、庫内を如何に乾燥状態に近付けるかという点において、各メーカーが独自機能の開発を競い合っている。
クライアントが機器でもう一つこだわったポイントはIHヒーターである。国産メーカーの物には3面IH、または2面IH+1ラジエント(電熱器)に魚焼きグリルが付いたものが多く、デザインも色や素材感が選べるくらいで形や機能はほぼ同じである。
恐れ多いが「カッコいい」と思えるものは…無い。選ばれるクライアントは機能を重視した人が殆どである。
今回のO邸では、これまたガゲナウの少し変わり種のIHヒーターを導入した。
まず大きな違いは、4面IHに魚焼きグリル無し。天板面操作であり、真下に引出ユニットを組む事が出来る。更に湯が早く沸くハイパワー機能や左側2面の四角いゾーンでは、楕円等の特殊な形をした鍋を片寄る事なく均等に熱する事も出来る。
それでいて少し幅が広いので、熱したフライパン等を置いておけるスペースが余分に取れる。中央手前の円形のスライドスイッチ一つで使いたいゾーンを直感的に選択でき、回転させる事で火力を調整する。
これはマグネット式で取り外しが自在で、掃除・手入れの際には完全なフラットになる為、長く清潔に保っておけるのでユーザーにはすごく喜ばれている。ただこのスイッチノブを紛失するユーザーもたまに居るので、機器説明の際に注意を促さなければいけない弱点はある。
またレンジフードについてはデザイン・機能性という観点から考えると、大抵の場合この機種になってくるのだが、国内フードメーカーの最大手である富士工業・アリアフィーナシリーズの「フェデリカ」。
イタリアのレンジフードメーカーのデザインチームによるシンプルで洗練されたフォルム。手入れが面倒なフィルターが無い構造で、音も静かで単純な操作性がおススメである。
(次号につづく)
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