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社長ではなかった男性⑨

毎日メールは欠かさず、している彼。

メールをしていても、文章下手くそだなぁって思う。
私に焼きもちやかせようなんて5年は早いわ!って思う。
年収は良いかもしれないけれど、高卒だし、短絡的だなぁって思う所もあるし、子供だっているしさ。そして引っかかる諸事情もある。
だけど…
彼が、直接素手で巻いてくれたチシャ菜は、平気で食べられた。
「いつか一緒に星のや軽井沢に行ってみたいなぁ」っていう彼に、悪くない!と思った自分がいた。
考えを聞いて、純粋に「すごいな!」って感じる部分もいっぱいあった。
ロシア旅行から帰ってきて、一番最初に連絡を入れたのは彼だったりした。
ささやかな好きって感情が、ひょっとすると芽生えてきたのかもしれない…
彼の、パーフェクトじゃない人間味溢れる所に、そして私を必要としてくれる所に、結局の所、私がコロコロ転がされていたのかもしれない。
それが…
まさか、こんな事になるなんて…
海外旅行から帰ってきて、
「お土産渡したいから空いている日にちを教えて欲しいニコ
と、多分初めて私から、デートに誘ってみました。
メールの調子はいつもの明るい長文の彼。
だけど…
空いている日にちは送ってきてくれませんでした…
いつもの彼なら
「よっしゃぁぁ!!ご飯行こうハート
いつでも空いているけれど、この日やこの日はどう!?」
あたり、返してくるハズ。
ちょっと…いやだいぶ不吉な違和感はしていましたもやもや
1週間程、デートの日にちにはお互い触れず、なんて事ないメールのラリーを続けていると、
こんなメールが来ました。
「まだ仲人にも言えてない最悪な出来事に見舞われてしまった。
明日以外で近日中に会える?
伝えなあかん出来事ができた。」

もう…違和感レベルではない。

嫌な予感しかしない。
そしてその予感は的中するのです…

 

嫌な予感を抱えたまま、いくつか候補日を出しました。

こりゃ海外のお土産とか渡している場合ではないのかも…滝汗
「すごく気になるけれど、また直接何なのか教えてね…」
すると次の返信で、最悪な事態が何なのか、メールで簡単に(でも相変わらずの長文で)教えてくれました。
「腫瘍が見つかった。」
やっぱり…
なんとなくそんな気がしていた…
仲人にも伝えなければならない最悪の事態なんて…会社が突然倒産したか、病気か、の2択くらいしか思いつかなかったのガーン
メールには
●これから細かい検査をするから、まだ良性か悪性か分からない。
●深い関係になる前で良かったと思っている。
●もうすぐ白黒の検査結果が出るので、一度ちゃんと会って話をしたい。
というような事も書かれていました。
数年前、父の癌が発覚し、涙が枯れる程泣き、寝る間も惜しんで情報を集めまくりました。
「5年後まで生きている確率は50%」と言われ、毎日仕事が終わってから藁にもすがる想いで病気平癒に効くと言われる神社にお参りに行ったし、未だに4ヶ月に一回ある定期検診(再発していないかのチェック)が怖くて仕方ありません。
今のところ、父は再発もせず元気です!
他人でこれほどショックを受けるのだから、父や彼などの当事者はどれだけ不安で怖いか…
なんて返信するべきなのか…
なんて答えが自分のとって、また彼にとって正なのか…
そして、こんな漫画のような出来事が本当に現実的にあるのか…
しかも、なぜこのタイミングで…
でも…
病気発覚なんて…
いつもいつだって、突然訪れるものなのだ…
彼の検査結果が分かるまで、いつもと同じようにいつものノリで、少しでも楽しい気持ちになってもらえるようにメールをする事しか出来ませんでした。
→続く

 

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