社長ではなかった男性16
話し合い当日。
ホワイトデーという事もあり、私の大好きなステーキのお店を予約してくれていました
席に着いて、たわいない会話を楽しみました。
彼の好きな所の1つに、会うと必ず、祖母の身体の具合と、妊娠中の妹の事は向こうから話題に出してくれて
何気ない事だけど、やっぱりそういう気遣い、私にとっては凄く嬉しいです。
ふと話の流れから親友HちゃんがIBJに入会してお見合い男性に出くわしたという話を笑いながらしていたら、突然、ノン社長さんが切り出してきました。
「ところで、りおなちゃんの活動はどんな感じなん?」
彼とIBJで仮交際していた時も、私の交際状況を知りたいんだろうなぁと感じた事は何回かあったんです。
でも一度も言った事無かった。
いつもなら、
「んー…別に特段大きな変化はないけど。」
くらいの返しをしていたのですが、初めて彼との約束を遂行してみる事にしました。
「あー…
仮交際中の男性から、本交際を申し込まれたよ!」
「え!?」
明らかに動揺するノン社長さん。
「仮交際期限が過ぎちゃってる方がいて、その方から真剣交際を申し込まれたの。」
「…そうなの!?」
「うん。
え、誰とも仮交際していないと思ってた?
私、そんなに何にも無さそうに見えてる?笑」
「まさか!!
いや、俺が何かを言える立場で無いのは分かってるよ。俺、土俵にすら立てられない男だから。」
「どうしてそう思うの?」
「病気だから。
りおなちゃんを幸せに出来ない。
不幸を背負わせたくないんよ。」
「私は…
病気の件で引いたり去ったりするつもりは無いよ。これからも。
病気だからって、将来を諦めるのは早すぎると思う。」
本当はもっとずっとうまく言いたかった。
もっと私を頼ってよ。
一緒になる事が不幸な事だなんて考えた事ないよ。
収入が一時的に減っても私が稼ぐから大丈夫だよ。
長期で入院したとしても、必ず治る病気なんだから平気だよ。
思っていたのは本当だけど…
言い切れない自分がいました…
何故なら、よう喋るお医者さんを清算する勇気が、多分まだ無かったからです。
「そりゃそうだわな。
→続く
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