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ユネスコ無形文化遺産に登録された本美濃紙(美濃和紙)

昨日に引き続きというより今日は本格的な美濃和紙の能書きです
 

2013年11月27日にユネスコ無形文化遺産に登録された本美濃紙(美濃和紙)

この時登録されたのが本美濃紙以外に「石州半紙(せきしゅうばんし)」(島根県浜田市)と、「細川紙(ほそかわし)」(埼玉県小川町、東秩父村)の合計3つの和紙です。

 
ですが、僕は和紙マスターでもないしマニアでもないので
まして、一度弟子入りした師匠より破門くらっているので…涙
知ってる美濃和紙の作り方をお話したいと思います
 
 
和紙の原料として楮、三椏、雁皮などがあります。
楮(こうぞ):障子紙、便箋、封筒
三椏(みつまた):お札など
雁皮(がんぴ):あぶらとり紙など
【剥皮(はくひ)】楮の木の皮をむいて白い皮にします。
 
 
 
一般的には楮を使います。
業者さんからはこういうカタチで買います
 
 
 
・さらし
 
 
原料を水に浸す事によって、水に溶けやすい不純物「あく」を除き原料を柔らかくします。
昔は「川晒し」といって、川の流れに2、3日楮を浸しておきました。
最近は作業場に作った水槽で行われることの方が多くなりました。
 
伝統産業はストイックなので
「冷たい水の方がええ!(良い)」と言われてます。これ本当に冷たい
 
 
・煮熟(しゃじゅく)
 
 
楮の繊維だけを取り出すために、晒された楮を炭酸ソーダを入れた大釜で2時間ほど煮ます。
 
予想通り汗かきまくります
 
 
ちりとり
 
 
まだ原料に残っている黒皮などのチリ、変色した部分などを、流水の中、丹念に手作業で取り除いていきます。
 
これも最初の「さらし」と同じく、冷たい水との戦い。職人の方は冬に作業(ちりとり)するので「水の方が温かい」と言います。
末恐ろしい…
 
 
・叩解(こうかい)
 
 
ちりを取り終わった原料を、石の板の上に置き、木槌で叩いてほぐします。途中何度か返して十分ほど叩解します。
現在では、この作業は『ビーター』という機械で行われることも多くなりました。
 
僕も動画撮影の時にしかこの作業はしたことありません
意外に難しくコツをつかんだ頃に時間切れがやって来ました
 
 
 
・紙すき
 
 
原料と『ねべし』と呼ばれるトロロアオイの根から抽出した液を、漉舟(すきぶね)に張った水の中に入れてよく混ぜ合わせます。
次に、簀桁(すけた)という道具を使って漉舟(すきぶね)の中の液をすくい、揺ります。
 
皆さんが想像する「紙漉き」の名シーンですよねw
縦揺れ上下と横揺れ左右に均等に伸ばして行きます。
僕の場合ですが、リズムに乗りながら漉いた方がキレイに漉けると感じてます
 
 
 
・圧搾(あっさく)
 
 
すき上げた紙に圧力をかけて水分を搾ります。1日間、時間をかけながら徐々に強く絞っていきます。
 
圧を掛け過ぎると「1日かけて漉いた大切な和紙達がひっついてしまうのでは」と恐怖感もありつつ…
でも大丈夫なんですw
 
 
・乾燥
 
 
一枚ずつはがした紙を特製の刷毛を使って板に貼り付け、天日で乾かします。
今では、中にお湯を循環させる金属製乾燥機に貼り付けて乾かすこともあります。
 
※この写真、僕の作業では金属製乾燥機に貼り付けて乾かしてます。
僕的にはコレが一番難しい?かもです
乾燥機にくっついた和紙を取る時にビリっとなってしまう事もありますので(泣
 
 
 
こうして出来上がった紙は、一枚一枚丹念に手にとって検品します。
紙を光に透かして、破損、傷、チリなどの不純物があるものや斑のあるものを除き、紙の厚みも考慮して丹念に選別します。
選別した紙を特製の包丁で、用途に合ったサイズに裁断。原料から、紙になるまで、大体10日かかります。
また、原木から取れる原料の料は約8%。紙になるのはその半分といわれるので、100キロの楮の原木から出来る美濃和紙はわずか4キログラムほどということになります。

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