めくるめく「見立て-mitate-」の世界
百年家具KIJINの石川玄哉です!
前回の、巨大一枚板!!セクシーな天板が出来るまで…の続きのお話。
あの幅4.6mの板が、あれから1ヶ月を経て…
富山県に無事嫁いで行きました!!!!
富山県の製薬会社、前田薬品工業様が有する、
創業者である現社長の御祖父様の旧邸宅が
火事で全焼した後に、故人の強い想いで建立したお茶室「松涛庵」
かつて多くの人々が交流したこの空間に、
再び息吹を吹き込みたい。
そんなご要望をいただき、
この空間にご提案したコンセプトは、
【見立て-mitate-】
見立てとは、「何かを想像させる」という、
日本人特有の想像力を活かす感性が現れた、
茶道においても使われる表現方法です。
実は「松涛」という言葉自体も、
『松の木の葉が風に吹かれる音が、波の音のようだ』
という意味であり、耳を使った見立て、です。
今回はこんな見立てを致しました。
「センターテーブル」
テーマ=地球のジオラマ。
人が集う中心になる、この空間の象徴となるセンターテーブルには、
幅4.6mの巨大なトチの一枚板を、敢えて荒々しい耳の部分がお腹合わせになるように配置し、
その間に半透明のエポキシ樹脂を大量に流し込みました。
美しく映えるトチの杢の大地に、
荒々しい木の耳の岸壁、
未知なるエポキシの海。
地球そのものを見立てたテーブルに致しました。
「座椅子」
テーマ=山脈
センターテーブルとセットにする座椅子にも、
富山らしい見立てを。
無垢の木で削り出した座椅子には、あらゆる箇所に
ゆるやかに角度を入れることで、山を連想される形に。
それが連なり並ぶことで、
富山の象徴「立山連峰」を見立てました。
「御膳」
テーマ=川
縁側で並んで飲食ができるように、
こちらは同じく無垢の一枚板を使いながらも、
テーブルとは違う見立てを。
美しく木目が流れる幅2.6mのクリの一枚板を、
四分割して、それぞれ単独でも使える御膳テーブルに。
繋げることで、美しく流れる木目が川のように。
昨日この空間に収まることで、
これらの見立て家具がようやく完成しました!!
見立ての世界観を空間に。
まだまだこれからこの空間自体も進化していきます!
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