「この車はユイ君の？？」
「うん、そうやで
」
」ユイ君…あなたはどうして軽自動車を…？？
車の中の人口密度…少なくとも車の前方の人口密度、半端ないよ…
着いたお店は、全室個室で尚且つ全てのお部屋から夜景が広がるオーガニック料理のお店でした
旅館を改装したお店らしく、一部屋一部屋がお宿の客室みたいに広い、なんとも贅沢な造り。
コースも既に頼んでくれていました。
元々、お酒が強くない私。
正直、お料理と一緒に飲むのはお茶やお水で上等な安上がりな女なんです笑
笑だから、良いんですよ、別に。
「お飲み物は？」とドリンクメニューを差し出す店員さんに
「飲み物はいりません。
僕はお水で。」
って言うユイ君を見たとて。笑
ガッカリなんてしませんよ、ええ、しません。
しませんとも…笑
笑お水２つとコースの前菜が運ばれてきて、同時に丁寧なお品書きの説明がありました。
無農薬、自然栽培にこだわっているお店らしく、一品目から新鮮なお野菜たちが並び、テンションは再び急上昇
食前酒→前菜→スープとどんどんお料理が提供される中、いつもなら、はぁ大満足となる私が、何故だか満たされない…
大満足となる私が、何故だか満たされない…なんだろう…お腹はいっぱいなのに…
最後の最後にデザートが出てきて、わたくし気付いてしまいました
「ユイ君、凄いね！！！
このコース、メイン料理もデザートも全部お野菜を使ったものだったね！！」
そう。全てが野菜。
だから、肉が大好物の私には、ちと物足りなかったのだ…
「そやねん。
ここ、ベジタリアン(菜食主義者)に対応しているお店やねん。
俺、ベジタリアンやから。
肉も魚も食べられへんから。」
なんと！！
三高の落とし穴は、こんな所にありました
ユイ君はベジタリアンでした
どのレベル？？って思いますよね。
それは、それはネタでも誇張でもなく、正真正銘ガチのベジタリアンでしたよ…
お肉、お魚などの魚介類、一切ＮＧ
お野菜は必ず産地の確認
オーガニックへの徹底
ルールが細かすぎてぶっちゃけよく分かりませんでしたが、とにかく、
「私が好きなものは根こそぎアウト！！！」
これだけは理解出来ました…
「彼女とかとご飯食べに行く時は、どうしてるの？？」
「んー…ベジタリアンに対応しているお店に行くか、うちで作るか…かな？」
「お家で作ったり食べたりする時も野菜ばっかりなの？」
「そうだね、肉魚系無理だから。
野菜も基本自分が見てＯＫだと感じるものしか、無理だし。」
そして。
「毎日節約してでも、購入する野菜には拘りたいな。その分、家とかは家賃３万円の部屋とかでも全然気にならないんだよね」
」
ユイ…くん…
あたしには
無理だ。。。
これから、一緒にベジタリアンとして生きていくなんて…
あたしには無理ざます
メインにはお肉を、デザートには甘いケーキを食べたいんだよーーー！！！
なにより
私は、
野菜＜＜＜＜＜＜＜＜家・車
なんだよーーー！！！
家賃３万のお部屋で毎日オーガニック野菜オンリーの生活なんて、ノーサンキューなのじゃぁ！！
最後はきっちりお会計を割り勘にされ…
最初はね。
単純なドケチフラグが立っただけだったのだけれど…
全ては愛するオーガニックの為なんだろうなぁと悟って帰路に着きました。
その夜、
「Ｍよ。ユイ君は無しだ！！！」
とＭにメールを送ると、
「ベジタリアンの件やろ？笑
正直、俺らもついていかれへん…」
と返事が。
一目惚れしてくれて光栄ではあるのですが…
ユイ君。お友達としてよろしく笑
笑いわゆる三高のユイくん 完
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