合皮と本革はどう違う?手入れの方法とは?
バッグや財布、靴など、多くの製品に使われている合皮。製品がまるまる合皮の場合もあれば、取っ手やサイドなど一部に合皮が使われている場合もあります。
この合皮とはいったいどういうものなのでしょうか?また、手入れはどのように行えば良いのでしょうか?
今回は合皮と本革の違いや、NGな手入れ方法・正しい手入れ方法をご紹介します。
●合皮って何?本革とどう違うの?
本革は牛や豚、羊あるいはワニやヘビなど、動物の皮膚を使った素材を指します。耐久性が高く、高級感があり肌触りも良いので、衣料品やバッグ、財布をはじめ、椅子やソファーなどの家具や、車の内装(ハンドルやシフトノブ、シート)など、幅広く活用されています。
一方、合皮は本革に似せた人工の素材です。合皮とは合成皮革の略で、布にポリ塩化ビニール(PCVやビニールとも呼ばれる)や、ポリウレタン(PU、ウレタン樹脂とも呼ばれる)といった合成樹脂を塗ることで作られます。
本革よりも安価で、品質のムラがなく、メンテナンスも容易で、それでいて革の高級感や肌触りを再現できるので、本革の代わりに合皮が使われていることも少なくありません。
比較的安価な製品には合皮が、高価な製品には本革が使われている傾向があります。
どうしても本革と比較すると高級感や耐久性に劣りますが、価格も安いし扱いやすく、傷や汚れもつきにくいというのが合皮のメリットです。
また、最近では合皮を作る技術も向上してきたので、見た目はもちろん肌触りも本革そっくりに再現できている製品も多く、本当に良いものを選べば安っぽく見えないようになってきています。
●合皮の寿命が縮まるNGな手入れのしかた
このようにさまざまな製品に使われている合皮。みなさんも1つくらいは合皮でできた製品を持っているのではないかと思います。
また、一部に合皮が使われたバッグや財布、靴などがあるかもしれません。
いくら本革と比較してメンテナンスが容易だからといっても、間違った手入れの方法をしてしまっては、すぐに合皮は劣化してしまいます。
そこで、まずは合皮のNGな手入れ方法について見ていきましょう。
・丸洗い
本革と比較して防水性が高いのも合皮のメリットです。多少雨に濡れても全く品質が変わらないので、アウターや靴にもよく使われています。
だからといって洗濯機に入れたり、水洗いをしたりするのはNG。長時間水に浸けておくと裏地に水が浸透してしまい、カビが生える原因になります。
なお、合皮製品には丸洗いが可能なものもありますので、「丸洗い可」となっていれば問題ありません。
・シンナーやベンジン等の有機溶剤を使う
シンナーやベンジン等の強力な揮発性有機溶剤や、それが含まれた洗浄剤で合皮を拭いたり磨いたりすると表面にダメージを与えて変質してしまう危険性があります。
・直射日光に長時間当てる
洗った後に洗濯物のように直射日光に当てて乾かすのもNGです。紫外線が合皮に当たる、あるいは表面が高温になることで樹脂を変質させ、ひび割れやぬめりなどの劣化を引き起こします。
・高温多湿の場所に保管する
直射日光から守れるとからといって高温多湿になりやすい場所に閉じ込めるのも考えものです。カビや雑菌が繁殖して臭いが付着しやすくなります。靴箱に保管する場合には、除湿するなどの対策を取ると良いでしょう。
●合皮も正しくメンテナンスすれば長持ち!正しい手入れのしかた
以上のように、間違ったメンテナンスをすると合皮は長持ちするどころが、寿命が縮まってしまいます。
ひび割れた合皮や色落ちした合皮はみすぼらしいもの。なるべく長持ちさせたいですね。そこで、ここからは合皮を長持ちさせるためのメンテナンス方法をご紹介します。
・汚れたらサッと拭き取る
合皮に汚れが付着した場合はしっかり絞った雑巾やウェッドティッシュなどでサッと拭き取りましょう。
これくらいの水分であれば問題ありません。
・通気性の良い場所で陰干しをする
拭き取った後は通気性の良い場所で陰干しをすることで、カビの発生や雑菌の繁殖を防ぐことが可能です。
・レザークリーナーやレザークリーム・オイルを使おう
本革と同様、レザークリーナーやレザーオイルを使ったメンテナンスも効果的です。レザークリーナーであれば合皮を痛めずに表面の汚れだけを取り除くことができます。
また、レザーオイルを塗ることで、ツヤを出すことができ、防水性能も向上させることが可能です。
以上、合皮のNGな手入れ方法と、長持ちさせるための方法についてご紹介しました。合皮は本革よりも耐水性があるので、丸洗いができる製品もありますし、丸洗いが不可でも雑巾やウェッドティッシュで汚れを拭き取るくらいはOKです。
さらに保管場所に気を遣う、レザークリームやオイルを使うことで、より長持ちさせることもできます。高級感を保って、長く使うためにも、日ごろからメンテナンスには気をつけましょう。
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