アロマを勧めている人たちへ、子育て中のママ、そして医療に関わっているアロマ使いの皆様へ
連続のブログ投稿です。
この数日で精油の飲用(飲める精油?)
の記事のシェアがすごいです。
シェアくださった方は、疑問に感じながらももやもやしていた様子・・。
実は私もこうしたことを書くことにずっと懸念がありました。
今回記事を書くことにしたのは、この精油を飲んだという対象が子育てママ及び妊産婦さんだったからです。
そして、こうした記事を書くと身近な人もレモン精油入りの水を飲んだと声が・・・泣
ということで、さらに精油のことを書いていこうと思います。
アロマの精油は日本で雑貨扱い
なぜこうしたことが起こっているのか?
それは精油そのものが日本では「雑貨扱い」だからです。
いわゆる誰でも手軽に使えて誰でも手元におけるもの。
ここが実は落とし穴なんですね。
なのに精油はある意味「効果」(本来は効果や治るという言葉は使ってはいけません。使うと法律に抵触します)が出るので
お手軽に不調がよくなるという傾向となります。
ちなみに、精油には特徴的な芳香成分があります。
例えば、風邪の時に皆さんが使うユーカリ(Eucalyptus radiata 及び Eucalyptus globulus)などに多く含まれるのが1-8シネオールという成分です。
この成分は合成でも作ることが出来まして、試薬などにも利用されています。
(咳止めの研究などに利用されていることも)
医薬品としての扱いはないですが、指定医薬部外品の一つにこれを使った有名な商品があります。
これ、多くの方が風邪をひいたときにお母さんに塗ってもらったことがあると思います。
(胸に塗ると喉と鼻がスーッとして咳が落ち着くというCMもあったかも汗)
この商品には
- カンファー(樟脳の香り)
- テレピン油(マツ科の樹脂の香り)
- ユーカリ油(シネオール臭でユーカリの香り)
- ニクズク油(ナツメグの香りで非常に少量)
- 杉葉油(杉の葉っぱの香り)
という、いわゆる芳香成分が含まれています。
こうした精油成分は合成でもあるし、天然由来のものもあるようですが。
商業ベースに乗せるには商品の安定化が必要なため、合成で作られることが多いです。
そしてこうした成分を医薬部外品で使うのですが、アロマでの精油は雑貨扱いなんです。
精油は決して気軽に使えるものではない
しつこいですが・・・
精油の飲用にご注意あれ
に書いたように、精油1滴には多くの植物や果実の果皮が使われています。
例えば、レモンの皮。
これを1回3個分、毎日毎日食べたらどうなるでしょうか?
レモン精油はレモンの果皮を絞って採取されています。
レモンの皮に見えるプツプツに精油が含まれています。
揚げ物をいただくとき、レモンを絞りますが。
このときは果汁も含まれていて、決して皮の精油だけではありません。
さて・・・引き続きレモンの精油で考えていきましょう。
レモン精油のいわゆる「作用」と言われるものは以下が挙げられます(ケモタイプ精油事典より)
- 抗菌
- 結石溶解
- 血液流動促進
- 消化促進
などです。
注意事項にはフロクマリン類による光感作が挙げられます。
いわゆる皮膚塗布したら4~5時間は日光に当たらないでね。ということです。
この精油を数滴ずつ毎日飲むとしましょう。
まず心配なのが「血液流動促進」です。
これ、静脈血のうっ滞をとって血液の流れを促すというものですが。
例えば妊婦さんが飲むと、血液の流れがよくなりすぎて(フロクマリンはクマリン系の化合物により血液をサラサラにしやすいです)
妊娠の継続が難しくなることもあります。
もちろん、オイル希釈して使うなど考慮することでこうした危険性はかなり低くなりますが、原液を溶けない水に入れて体内に取り入れるということ。
毎日というくらい飲むということにはこうした危険性が高くなると考えていただきたいのです。
メディカルの落とし穴(医療従事者のアロマ)
さて、今回の記事を上げようと思った理由はこのようなレモン精油の飲用を助産師さんに勧められたというお話もあったためです。
多くの方にとって、医療従事者というものは信頼度が高いと思います。
ありがたいことに、私も薬剤師という資格があるためにアロマをお伝えすることは知識的にもやりやすいです。
でも、私も万能ではなく、アロマという未知の世界の中ではまだまだ経験が浅い一人です。
経験値で伝えられているアロマの世界ですから・・・。
そして、精油はあくまでも「有機化合物」であることを念頭において使うべきです。
皆さんご存知のとおり薬でも作用と副作用があります。
薬は副作用よりも作用の方が有効率が高いと分かった時点で医療の世界に出てきます。
逆に言うと、薬でも医師や薬剤師の勧められるままに服用していると怖いことありますよね?
その世界と同じものをアロマの世界でも使っていることを認識したいものです。
私の周りのアロマを使う方たちは、日々すごく学んでいます。
解剖生理、薬理、化学、精油学。
だからこそアロマの使い方のさじ加減もわかるし、危険も見えてきます。
私がアロマを学んだ当初、皮膚疾患へのアロマは普通に使っていました。
アトピーにアロマ!なんてこともやっていましたが、最近の免疫学の発展によりアロマの精油が抗原(皮膚刺激の悪化の原因)になることも
あるということがわかってきて、皮膚へのアロマ使用はとても気を遣うようになりました。
(ここもさじ加減で使い方によっては回復に向かうこともあります)
大人よりも小さなお子さんの方が危険
ちょっと、今回のことがあってから、こうした飲用を勧めている方たちの投稿などを見てきました。
多くの方がお子さんの写真を載せています。
アロマは基本、6か月未満の子供には使えません。
どうしてもというときに限り、数回までの使用は可能ですが。
6か月未満のお子さんはこれから発達していく途中にあります。
精油などの「有機化合物」を取り入れることはお薬を毎日取り入れているのと同じです。
(精油の方が薬より低分子で代謝も早いです。だからある意味アロマは安全と言われます。)
妊婦さんだとご自身の代謝能力で多少緩和されますが、それでも精油成分は胎盤を通過するので
高濃度(原液など)で体内に取り入れることの危険性は見えてきます。
ペパーミントは3歳未満のお子さんへの使用を禁止しています。
ケトン類であるメントンによる神経毒性(たんぱく質の変性など)を引き起こすからです。
大人になると、精油が少しオーバーに入っても代謝能力がかなり備わるのでさほど影響も少ないでしょう。
でも、小さな子や。学生さんのようにストレスが多い子たちに使う精油はかなり注意を必要とします。
そして上でも書きました。
助産師さんは一番この小さなお子さんや大切なママさんに近い場所にいます。
もし精油の飲用をおすすめしている方がこの記事を読まれたら。
ご自身の中で「代謝能力」ということを考えてほしいと思います。
漢方的にみると食べ物もストレッサー!?
漢方的に体を見るときに考えるのが陰陽です。
世の中の事象にはすべて陰陽があるということで、体も陰と陽で考えます。
そうした哲学の中では空気はもちろん、食べるものすら私たち人間にとってはストレッサーとして考えるのです。
生命の源「腎」は食べ物が自分の体に必要か不必要かを判断しますが、生まれ持った体質や育つ過程で何かのきっかけで
「腎」がこれは拒否しなければ!と判断したものが食物アレルギーなどになります。
抗原抗体反応は免疫なので、「肺」に寄与すると考えますが生死にかかわるほどのアレルギーは「腎」の押印が必要になります。
このように、外から体に入るものはすべて私たちにとっては「邪気」。
アロマを高濃度で小さな子に使うのは、わざわざ「邪気」を入れていることになります・・・。
不調があるときはアロマで対応していくこともいいのですが、元気な子にわざわざ入れ続ける必要はないのです。
(こうやって書くとアロマやってると儲からないんですけどね・笑)
アロマはあくまでも現代社会、ストレスフルな社会で生きる者たちに使われるべきもの。
香育という言葉がありますが、香りを使っての育児は時に親の刷り込みにもなるので注意が必要だとも思います。
ただ、デュフューザーで香りを取り入れる。感染症の予防のために取り入れるなど。
予防医学的に使う使い方にもコツがありまして、こうしたコツを得ながらの使用がアロマの一番いい使い方だと経験的に思うのです。
(ちなみに、私はアロマケアはは週5日くらいで行いますが、週2回はお休みしますよ)
赤ちゃんや子供は未来の宝物。
けがれない状態で生まれてきた子に、何も外から異物を入れなくていいのではないでしょうか?
最後に・・・
今回、かなり辛口の投稿になりました。
ある意味、自分の首絞めてるかも??とも思います。
それでも伝えなきゃ!!の気持ちが勝ちました。汗汗
私の中に「自由と責任」という言葉がいつもあります。
自由は時に責任を生じるということ。
同時に「義務と責任」という言葉も出ます。
アロマを伝えるなら、安全性を確認させる義務があるのです。
以前いったリトアニアでの精油は薬局扱いでした。
一般の方は使えないのです。
フランスも多分精油は薬局か専門家の下にあるはずです。
保健医療が破たんしている日本で予防医学の必要性がどんどん色濃くなる中で。
自然療法の位置づけはとても大きくなってくるでしょう。
その中にアロマもあるということを心にとどめて活動してほしいです。
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アロマや精油のこと、使い方を正しく学んでお仕事にしてみませんか?
アロママスターブレンダー検定 (こちらのレッスンはレスプリハーブの厳選講師がお伝えします)
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