売るチカラ=生きるチカラ=人生を自ら切り拓くチカラ
僕は営業という仕事で身を立てて来た。
- 何か取り柄がある訳でもなく
- 何か特技がある訳でもなく
- 何か資格がある訳でもなく
- 何かコネやツテがある訳でもなく
- もちろんお金もなかった
だから、やりたかった訳ではなく、それしかできることがなかったからだ。
あ、それとは、営業である。
高校生の時に、新聞店で新規開拓の営業をはじめ、社会人になってからは、足の指を足しても、全く足りないほどのありとあらゆる種類の商品やサービスを、売って売って売りまくってきた。
- 飛び込み営業
- 電話営業・テレアポ
- 街頭でのキャッチセールス
- 店頭での実演販売
- 口コミ・紹介販売
- ダイレクトマーケティング
- ネット通販
などなど、売ってきたモノも、売る方法や手段も、売ってきた対象も、本当に様々だ。
しかし、これは幸いにして幼い頃から、実業家の祖母と商社マンの父に教えてもらっていたので、たった一つ、決してブレない考え方を持っている。
それは「お客様の欲しいモノではなく、お客様に必要なモノを売る」という考え方です。
これは小さな頃に、親父が頭を下げて「売ってくれ」と頼まれるのに、断っていた時の言葉でした。
「私は営業マンです。
確かにモノを売るのが仕事です。
しかし、どんなに貧しても
決して譲れないことがあるんです。
それは、
どんなに欲しいと頼まれても
どんなにお金を積まれても
あなたに必要のないモノを
絶対に売らない。
私を一人の営業マンとして
認めてくださっているのなら
どうか、諦めてください。
もし、どうしても諦めて頂けないなら
この商いを最後に
私は営業マンを辞めます。
あなたが最後のお客様なら本望です」
結局、このお客様は、諦めて帰られました。
そして後日、他の方から、購入されたそうです。
しかし、それからしばらくして、その方は父の元に来たそうです。
「申し訳ありません。
この商品を引き取って頂ける方を探して欲しい」
と・・・。
詳しくは知りませんが、結局その商品は必要なく、手に余り、そして経済的に苦しくなったそうなのです。
僕の父はこう言いました。
「よかった、私がお売りしなくて。
お売りしてないからこそ
こうして、あなたを助けることができる。
引き取り手を探す必要はありません。
喜んで私が引き取ります。
必要な金額を教えてください」
と。
この後、父は中古で引き取ったこの商品も、無事に他の必要な方へお譲りすることができたそうです。
あまり僕ら子供の前でしゃべらない父が、僕が小学5・6年生の頃だったと思いますが、言ったことを良く覚えています。
「人はモノを買って暮らしている。
だから、モノを売ることは仕事になる。
できれば大人になったら
モノを売る仕事をしなさい。
モノを売れば、生きることができる。
そして、夢が叶う。」
カエルの子はカエル というほど、父ほどの営業マンではありませんが、やっぱり僕は営業マンになった。
そして、そのことを誇りに思っています。
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