陶器と磁器のちがい/茶の湯ライターが分かりやすくつづる茶道マメ知識

市川弘美

 

お茶碗、お皿、小鉢、ケーキ皿、コーヒーカップ・・・
焼きものは、私たちの生活に欠かせないものですね。

日本は、東北から沖縄まで、各地で焼きものを作っている、「焼きもの」の国です。

焼きものには、陶器と磁器とがあり、そのちがいを見ていきましょう。

 

【陶器】


※右上、志野焼(しのやき)の茶碗:岐阜県

陶器は、「土もの」と言われ、見た目にも、いかにも土を焼いた感じの表面です。

釉薬がかかっているものは、意外とつるつるしていますよ。
かかっていないものはザラザラしています。

茶道では、陶器の水指(みずさし)は、畳にじかに置きます。


※左上、備前焼の水指:岡山県

 

【磁器】


※京焼の茶碗:京都府

見た目も触ってもツルッとしていて、陶器よりもおおむね軽く、扱いやすい焼きものです。

「お皿」といえば、こちらの磁器をイメージされる方も多いと思います。

色とりどりの釉薬が使えるので、無地でもカラフルだし、絵付けされたキレイな模様を楽しめます。

染付の伊万里焼(佐賀県)、赤・緑・黄色などを使った九谷焼(石川県)が有名です。

 

茶道では、磁器の水指は、棚か板の上に置きます。


※右上、水指:山地不明

 

【家庭で】

陶器と磁器、手元の食器で見比べてみると、違いが分かりやすいと思います。

お家で使い分けるなら、陶器は、色が地味めなぶん、野菜の鮮やかな緑や赤が引き立ち、より美味しそうに見えますよ。

磁器のお皿は硬いので、フォークやナイフを使うときに向いています。
オールマイティに使えて、食洗器に入れられるものも多いですね。

ちなみに、金銀が使われている器は、食洗器や電子レンジにはかけられないので、気をつけてくださいね!

食卓のカンタンな演出として、ふだん磁器に盛り付けている料理を陶器に、その逆もまたやってみると、いつもの食事が新鮮になるかもしれませーん。
良かったらお試しくださいね~♪

 

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市川弘美

茶道の楽しさや「和」への感性、そして侘び寂びの「美」について、「茶の湯」のことを分かりやすい表現で文章にし、読者の皆さまへお届けします。

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