【自分を変える】一日一万の命と、道を切り拓く方法
「ご旅行ですか?」
新大阪駅に向かう電車の中で、
隣に座った、おじいさんに
声をかけられた。
歳の頃は、80歳くらいだろうか?
白髪で、しっかりされているものの
どこか、弱々しい印象も、
持ち合わせておられた。
『はい。山形まで』
私は、持っているスーツケースを
握りしめながら、答えた。
まぁ、これも、何かの縁。と
おじいさんとの会話を楽しんでみることにした。
「そうですか。いいですね。
ところで、あなた、ご両親はご健在ですか?」
なぜか? 両親の話になった。
『母は、私が中学生の頃に亡くなりました』
「お父さんは、ご健在?」
『はい』
コミュニケーションを教えるような
仕事をしているものの、
本来は、人見知り。
聞かれれば、答えるけど…
あまり、あれこれ、聞かれるのは
得意ではないので、
言葉少なに、返事をした。
「そうですか。
大事にしてあげてくださいね。
私のお母さんは、すごく、素敵な人でした」
おじいさんは、一体、何が言いたいんだろう?
戸惑いながらも、おじいさんの話を
聞いてみたくなった。
『どんなところが、素敵だったのですか?』
ほぼ空席のない
各駅停車の電車に揺られながらも、
おじいさんと私だけの
空間になっているような
不思議な感覚を感じていた。
「私のお母さんは、
ご飯の時に「いただきます」と
「ごちそうさまでした」を
教えてくれました」
そんなん普通やろと
心の中で突っ込みながら…
それの何が素敵なんだろう?
と興味がわいてきた。
「「いただきます」の本当の意味を
知ってますか?」
『本当の意味?』
「そうです。
私のお母さんは、
「いただきます」の本当の意味を
毎日、私に教えてくれました。
お茶碗一杯分のごはんって、
何粒ぐらい、お米が入っていると思いますか?」
『何粒だろう??』
「3000粒ぐらいだそうです。
その米粒ひとつ、ひとつも、
大切な命なんですよね。
その命をいただきます。
というのが、
「いただきます」の本当の意味です。
ごはん一杯だけで、3000ですから…
他に、いろんなおかずもいただきますし…
一日、一万近い、命を
私たちはいただいているんです。
そういうことを教えてくれた母でした」
『なるほど。
すごく素敵なお話ですね』
なんだか、心があったかくなった。
このおじいさんのお話や
おじいさんのお母様のお話を
もっと、聴いてみたくなった。
そう思った矢先、
「あ、私は、ここで」
おじいさんの降りる駅に
着くところだった。
『素敵なお話をありがとうございました』
私は、御礼を言った。
「良い旅を」
おじいさんは、私に、そう言いながら、
ゆっくりと立ち上がり、
電車から、降りて行かれた。
ずいぶん、長い時間、
話していた気がしたけれど…
二駅しか、過ぎていなかった。
毎日、1万もの命をいただいている。
そのおかげで、私たちは、生かされている。
そのことを
毎日、意識している人が、
どれだけいるのだろう?
自分が頑張ったから…
自分が働いたから…
生きていけると思う人も
少なくないのではないだろうか?
もちろん、それも、間違いではない。
でも…
お米が育ってくれるから…
お米を育ててくださる方がいらっしゃるから…
運んでくださる方、
売ってくださる方がいらっしゃるから…
私たちのお金が使える。
こうやって、
それぞれが、できることで
支え合っている。
地球全体で、いろんなものが、
パズルのように、組み合わさって、
バランスを取っているんだと思う。
日本一周をしている時に
スーパーで買い物をしている時に、
ふと思ったことがある。
私たちは、
「すごい人」になろうとすることがある。
レジ打ちのような仕事を
誰にでもできる仕事と思ってしまうことがある。
そうかもしれない。
でも…
みんなが、よくテレビに出てくるような
「すごい人」になってしまったら…
レジ打ちをする人がいなくなる。
私たちは、買い物をすることができなくなる。
レジ打ちをしてくださる方も、
「すごい人」なんだ。
その人にしかできない対応がある。
その人にしかできない挨拶もある。
それが本当の存在価値であり…
その人にしかできないことだと思う。
私にも、レジ打ちはできるかもしれない。
でも…レジ打ちをしていたら…
日本一周はできない。
この方々がいてくださるからこそ、
買い物ができるし…
生かされて、日本一周ができる。
本当にありがたい。
そんな私も、
そんな風に思える時ばかりでもないし…
自分が嫌で、落ち込んだこともある。
営業時代…
すごく落ち込んでいた時に
上司から言われたことがある。
「お客様は、あなたを待っているのですよ。
僕が代わりに行くことはできるけど…
それは、お客様が待っているあなたではない。
さぁ、待ってくださっている方のところに
行ってらっしゃい!」
年下のまだ20代の上司だった。
今でも、あの言葉を忘れない。
必要とされることに
精一杯、心を込めて、取り組む。
もし、必要とされていないと感じるのなら、
自分で役割を決めればいい。
ゴミ拾いでもいい。
履き掃除でもいい。
コピーでもいい。
誰にも気づかれなかったとしても、
やっているうちに
誰かが見てくれているものだし…
何よりも、がんばっている自分が
一番良く知っている。
自分を認めるのも、
自分を好きになるのも、
自分にしかできないんだ。
一日、一万もの命をいただいて、
その命を生かすように
毎日を大切に生きる。
それだけで、道は拓けると思う。
【無料プレゼント】
人間関係を変えるコミュニケーションとコーチングの基本
全58ぺージの資料が無料でダウンロードできます☆
コミュニケーションを変えたい方
コーチングを学びたい方には、
読むだけで、コーチングセッションができる
「すまいるすごろく」 がオススメです。
「すまいるすごろく」は、こちらから、ご購入いただけます。
コーチング|心理学|コミュニケーション|引き寄せ|自己肯定感 株式会社しんぷるすまいる すまいるすごろく発案者 ひめさとこ
ひめさとこ すまいるすごろくplus – リザスト – ひめさとこ 公式リザストページ
この記事へのコメント