和紙の業界に携わって、“ある事”に気づきました！
そして、それは多くの伝統工芸やものづくりにも共通する事だと思います。
それは、
「市場規模の割に流通が長すぎる！」
「大量に売れる」産業や市場であれば、大量に安く仕入れる問屋や商社が何社も入って、少しずつ市場に量を分散していく仕組みが成り立ちます。
しかし、和紙産業は、行ってしまえば衰退産業。
つまり、「量が売れない」。
なのに、昔のままで問屋などが何社も間に入り、「流通が長い！」
さらに、量を買わないのに単価は昔の量の多かったころのまま。
「規模の経済性」があります。
この言葉は極めて“一方通行”！
つまり、「沢山買うから安くして～」とは言いますが、
「少なくなったから高く買うわ～」とは絶対言いません。
さらに、行き過ぎた「カンバン方式」が流通業者にまで浸透しており、
「在庫を持ちたがらない！」
問屋や商社などの役目は、
①在庫を持つ事
②情報を持つ事
③フィルターになる事
だと、思います。
その彼らが、
まずは、在庫を持たない！
だから、注文はいつも「少量を」「急ぎで」「直送」(笑)
そして、情報。
はっきり言って、彼らは和紙の事何も知りません(笑)
なので、お客様からの質問を全てそのままこっちに聞いてきます。
それを伝言ゲームのように伝えるだけ。
和紙の情報は、私たちメーカーが一番知っています。
今は、SNSなどでメーカーが直接情報発信できるのでお客様に直接情報を届けられます。
最後に、フィルター役。
フィルターどころか、万が一クレームが発生すると、全部メーカーに丸投げ！
さらに、小さなクレームを、大きくして返してくれます(笑)
彼らの多くは、メーカーを守る気持ちなどさらさらありません。
自分たちの保身ばかり。
だから、いつからか
「流通を短く（最適化）する」
しかない！と考えるようになりました。
つまり、必要のない中間業者は不要なのです。
これは、私の主張ではなく、
「自然の摂理」
だと思っています。
縦軸（物量）が長ければ、横軸（流通）も長い。
縦軸（物量）が短ければ、横軸（流通）も短い。
極めて自然な事です。
和紙は、歴史上で最も縦軸（物量）が短い。
つまり、横軸（流通）も極限に短くて良い。
要は、
「直接売る」
事をしないと、適正価格では売れません。
前置きがかな～り長くなりましたが、
そんな事を実感していたので、
「和紙の店を作りたい！」
と、自然と考えるようになりました。
そして、
（経緯は更に長くなるので省きますｗ）
2019年7月に誕生したのが、
丸重製紙企業組合直営の和紙専門店、その名も
「Washi-nary」
（ワシナリー）
です。
店名は、私がワインが好きだという事と、
和紙へのアプローチと、ワインへのアプローチが凄く似ていると常々思っていたので、
Winary（ワイナリー）からヒントを得て名付けました。
自分で言うのも何ですが、
かなりイケてるショップですｗ
和紙の原料問屋だった大蔵を改装してます。
美濃和紙の里である板取川を再現してます。
今までお店では一切売ってなかった丸重製紙の和紙が一枚から買えます。
美濃手すき和紙職人さんの和紙は、名前も顔も出して売ってます。
（これは普通の店ではやらない事です）
手すき和紙の問屋業としての機能も果たします。
さらに、オンラインショップで通販も可能です。
https://washinary.jp/online-shop/
この店を少しずつ成長させていって、
「流通革命」
を起こしたいと思います。
それこそが、「和紙を元氣にする」「和紙産業を持続可能にする」事に大きく貢献すると信じております！
次回は、まさかの！？「地域電力事業」をお伝えします。
そして、またまた最後に営業を(笑)
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『美濃と和紙を元氣にする』
辻晃一
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