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KTH邸キッチン施工列(2)

次に今回採用したキッチン設備・機器について解説しておきたい。
前述のアイランド側には水回りの設備・機器を配置しているのだが、まずオーナーの要望として最初からブレなかったのが食洗機である。海外製のものを検討する上で、殆どの人が一度は耳にするブランドとして、ドイツの「ミーレ」が特に有名であろう。最初に全自動食洗機を世に送り出したミーレは、現在でも様々なユーザーのニーズに応え支持され続けている。

洗う物に合わせた水圧や温度を、コンピュータが汚れのレベルを感知してコントロールするので、洗浄モードが非常に多彩である。内蔵された3段のバスケットは、食器の種類に応じて並べ易く、洗浄水を妨げる事なく隅々まで行き届くよう、繊細なワイヤーで構成されている。
海外製の食洗機で共通の特徴としてまず、引出式ではなく前倒しのドアタイプという事が挙げられる。それでいて給排水設備を機器下に配置せず、隣のユニットにスペースを取る為、庫内が非常に広く容量が大きい。一度に洗える食器の量は国産食洗機の幅45cmタイプで1.5倍程度、幅60cmタイプともなると2〜2.5倍程度まで増える。
次に挙げられるのは、洗剤だけではなくリンス(乾燥仕上剤)を使う。必ず使わなくても良いのだが、国産の様に温風ヒーターで乾燥させるのではなく、温水で洗ったその余熱を利用して食器自体を自己乾燥させる方式を採っているので、水滴の跡等を残さずピカピカに洗い上げたい場合は使用を勧めている。今回採用した食洗機に関しては新しく追加された「オートオープン乾燥」機能が搭載されている。この機能は洗浄が終わると自動でドアを少し開け、空気の流れを庫内に作る事で乾燥を促すというものだ。日本人の感覚には非常にマッチした機能ではないだろうか。

先程も申し上げたが、こちらは夫婦揃ってキッチンに立つ機会が多い。シンク前に立ち、蛇口をひねる時も例外ではない。さすがに湯水の混合水栓を2台据えるのは、建築側の設備が混雑するのと工事コストがあがるので、調理中使う事の多い浄化水が同時に出せる様、1本は浄水器付きの混合水栓、もう1本は浄水器専用の水栓を組み込んだのも特徴である。

次にご主人の最も重視された部分、壁面I型の「焼き場」である。
ガスコンロはキッチン全体のテイストに合わせ、少し無骨でレトロ感のあるものを採用している。他メーカー・他機種と比較して特徴的な火元の配置と五徳の形状である。普通は左右と真ん中奥に二等辺三角形状に配置される火元だが、この機種はハイカロリー部分を手前に持ってきたり、鍋やフライパンの大きさに合わせて使う位置が選べて、尚且つ重い鍋等をいちいち持ち上げずに移動が出来る連続配置された大型五徳が非常に人気である。ある情報番組で何度か紹介されたらしく、お客様の方からリクエストされる事も多くなったモデルである。

焼き場の最後は電気オーブン。これは機能的な部分はもちろんなのだが、オーナーは使い勝手と機器自体の見せ方に拘った。プランニング当初はアイランド側の作業台部分の下に入れ込む形を採っていたのだが、まず使い易さ(物の出し入れや中の様子を伺う姿勢)として、腰より上の位置に持ってくる事が条件になり、それに伴いダイニングやリビングから、「いかにもキッチン」感を醸し出したい、オーブン自体のデザインを主張させたいという事になった。結果、壁面I型向かって右のトール収納が出来、その一部の目立つ場所にビルトインしたのである。実際に使い勝手もよく、頻繁に利用してオーブン料理を楽しんでいるとの事だ。ちなみに電気オーブンはドイツ「AEG」(アーエーゲー)を採用している。比較的リーズナブルで、あまり馴染みのないオーブン料理を日本人でもし易く設計されている。

 

施工例(1)はこちら

 

ライター:北澤武宏について

https://creators.view.cafe/takehiro_kitazawa/

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