海外在住のエリートさん⑨

そして…
ご満悦の彼が、突然切り出してきました。
はい。お得意のやつです。
「りおなさん、今日はお願いがあって来ました!」
「…
お願いですか…??」

怖い、怖い、こわい、こわい…
何…!?
何をお願いされるの!?
その勿体ぶらせる変な前振り、ほんとやめてーーーー





「りおなさん!!
僕と結婚しませんか?
」

はいーーー!?







一瞬、顔が硬直しましたが、
すぐに…
「冗談ですよ
」

と言われました。
「…冗談!?
びっくりしましたよーー!!!

もーーー!!!驚かせないで!!笑」
「あははは笑
!

冗談というのは嘘で、本気は本気です。
りおなさんと結婚したいです。」
だから…
あたい達、まだ出会って数時間の仲だからさ…

「お願いというのは…2つあります。
嫌なら気にせず、断ってください
」

2つも願い事突き付けられるの!?笑
…圧…やばいな…
「1つ目は敬語を辞めませんか?

やっぱり敬語だとなかなか距離が縮まらないような気がして…どうかな?」
「びっくりした!笑
もっとすごいお願いされるのかと思いました!笑
今から敬語、辞められるように頑張ります
」

「良かった、ありがとう!!
2つ目なんだけど…
明日のデート、恋人っぽい感じで出来ると嬉しいなぁと思ったんだけど、どうかな?」
ちょ、ちょ、ちょ、ちょーーー!!!
恋人っぽい感じって…
なんですか!?

あのですね。
仮交際…というのは彼氏彼女の関係では無いのだよ!?
そこはご存知なのでしょうか!?
あれ?この方、そこ勘違いしちゃっているタイプだったり…する?





「…恋人っぽい感じというのは…
具体的にどんな事を指すんですか?
あ、指すの?笑」
「あだ名で呼んだり…手を繋いで歩いたりとか…
そんな感じかな
」

前者はええわ。
全くもって問題なし!!!
たった今からニックネームで呼びましょう!!
問題は…
後者なのじゃー!!!
はい。皆さま、ご一緒にお願いします!!!
りおなは…
潔癖症なのじゃー!!!
軽度のね。
エリートさんに嫌悪感とかは一切無いのだけど…
出会って間もない方との接触…
私にはとっても厳しいの





「んー…ちょっと厳しいですね…」
なんて言えない。
なぜなら、はい、皆さま、ご一緒に。
りおなは…
断り下手なのじゃーー!!!
「そんなぁ
恥ずかしいです
」


なんて恥ずかしがる歳でも無い…
ニコニコ笑顔で提案されている事に対してとりあえず
「検討するね
」

と笑顔返ししておきました。
笑顔はしているものの…
検討する=乗り気では無い。
という日本人の感覚、海外在住歴の長くなってしまったあなたは覚えているでしょうか?
そして土曜日。
せっかくのつかの間の関西なので、彼が行ってみたいと言った所全てご案内させて頂きました



待ち合わせしてすぐ、
「寒いから手を繋ごうか!」
と切り出した彼。
やっぱり…
日本人的感覚、忘れてる

だけどね、大丈夫!!!
「アレ?暖かそうだね!!」
「今日すごく寒くて…
私めっちゃくちゃ末端冷え性なの…」
そうです。
まさかの…
皮の手袋着用。
何回も言うが、嫌悪感だとか生理的に無理だとかとは別次元のお話。
好きだと思っていない人との接触。
簡単にはできない。
だからこそ、男友達は昔からかなり多いくせに、盛りのついた10代20代半ばを含めても、彼氏以外の男性との過ちが皆無なの。
「綺麗な手袋だね!!暖かそうだし!
末端冷え性なんだ!
じゃぁ、外から更に保温してあげるね
」

と手を繋がれました。
手袋越しにね。笑
あのね!!
一応ね!!
色々言い訳させてもらうけれど、この日、本当に寒かったのよ!!
手袋して当たり前の寒さだったのよ!!
それでも、「手袋外してほしい」って言われたら、私も外す心持ちではいたのよ!!!
本当に!!!
自分から外すつもりは一切無かったのだけど、言われたらね!!!
そこは微妙な気持ちを抑えて応じるつもりだったんだよ、一応ね!!!
まぁ彼氏彼女では無いし。
付き合っている訳でも無いしさ。
そもそも手を繋ぐ必要性は現状無い訳だからさ。
彼のお願い事
「恋人っぽい感じ」は達成ではないのでしょうか???
しかし、この後…
彼の恋人ぽい感じが更にエスカレートしていく事となります





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