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ソファ専門メーカー「TRES」が青山にショールームをオープンしました Vol.3

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構造的にこの上に載るのが、国内最大級密度を誇るウレタン層である。

 

通常国産またはアジア地域で低コストで製造されるウレタンの密度は、1立方メートル辺り20〜30kgくらいの物を使う。
直接触ると含んでいる空気の量が多く、スカスカと乾いたパンにも似た感触である。これに対して、ここのソファは1立方メートル辺り40〜55kgで、水分を含んだようなしっとりどっしりとしている。単純に密度が高い=ヘタリにくい(荷重に負けない)といった具合に、その数値や質感に座り心地は大いに左右される。

私の経験上、「重い」ソファは良い物が多い。外からは見えない内部に上記のような素材が、しっかりした工法で組まれているからである。ただそれだけで「良いソファ」は成り立たない。これまで話してきたウレタンは、座る人間の体型や体重をどっしりと支え、心地良く安定させる為、言わば建築で言うところの基礎・土台・柱・梁といった役割を担う。次に大切なのは背あたりやホールド感を生み出す、羽毛と張地(カバーリング)。羽毛はハンガリー産のマザーグースのスモールフェザーを、機械刈りではなくハンドピック(手摘み)で使う。羽毛一本一本が折れる事なく、コシを保った状態で何度も洗浄し、充分に乾燥した清潔な状態でクッションに吹き込む。
コストパフォーマンス重視のメーカー等は普通、中国の水鳥の羽毛を切り刻んで、ウレタンやスポンジのチップと混合し、クッション材にしている事が多い。
この作り方だと、全てがお互いの材料頼りになる為、ヘタリが早いし、復元が難しい。TRESの作り方だと羽毛のコシは長持ちし、その下にウレタン層を構える。更に羽毛を吹き込む場所をキルティングにより部屋分けし、羽毛の偏りとクッションの変形を防いでいる。またクッションの内袋を二重構造にする事で、羽毛の抜け・クッションの痩せを最小限に抑える作りにしている。

ここで将来のメンテナンス性を考えて、羽毛のクッション部分とウレタン層を分離出来るようにしていて、それぞれの補填や交換が容易に、必要な時期に行える仕組が構成されている。

 

ソファの座り心地・肌触りを左右するポイントとして張地・カバーリングを最後に挙げる。元々張地の役割としては、中身のクッションが汚れるのを防いだり、羽毛が飛び出ないようにするといった事があると思うのだが、ソファの普及と共にオーナーの個性や趣味などファッション性も重視されるようになってきた。

更には見た目だけでなく、布地感や肌触りなんかも拘りのポイントになっている。TRESでは、全てがモダン家具の聖地イタリアへ出向き厳選した布地を頻繁に入れ替え、ラインナップを常にアップデートする。
優れたパタンナーが裁断・縫製に拘り抜き、クッションの感触を硬過ぎず柔らか過ぎず、絶妙のホールド感を実現していて、その布地のみならず、ソファ全体の張り感でフォルムを美しくみせている。

 

 

ソファ専門メーカー「TRES」が青山にショールームをオープンしました Vol.4へ続く

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