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ペットがガンにかかったら…。「悪性末梢神経鞘腫」になったゴールデンレトリバー

日本人の死亡原因の1位は、男女ともにガンという結果があります。
ガンが発生する仕組みは、生命の誕生と成長、維持のための仕組みと密接にかかわっているので、「がんになりにくいようにする」生活を送ることは可能でも、「がんにならないようにする」ことはできないのだそうです。

それは、ペットのガンにおいても同じといえます。

ガンになりやすい犬種がある!?

私も以前ゴールデンレトリバーを飼っていましたが、ガンで亡くしています。
悪性リンパ腫でした。変なデキモノがある、と気付いたときにはもう遅く、最後はガリガリに痩せて虹の橋を渡っていきました…。

そして、私の妹が飼っている9歳5ヶ月のオスのゴールデンレトリバー「カイくん」。

毎朝、新聞を咥えて運んでクッキー1つをもらうのが日課という、やんちゃで元気いっぱいの子でしたが、ある日突然後脚を引きずるようになったのです。
「これはおかしい」と病院に連れていくと、MRI検査を勧められ…。
結果、後頭部下の辺りの脊髄に腫瘍があることが分かりました。

この腫瘍は「悪性末梢神経鞘腫」、つまりガンだったのですが、私の飼っていたゴールデンといい、妹のところのゴールデンといい、なぜガンに?と思って調べてみると、「犬種によって発生しやすいガンがあり、これらは生活習慣などでは説明がつかないため、何らかの遺伝的要因が絡んでいると考えられる」ということでした。

そして、犬種によっても発症率に開きがあるということで、1位がなんとゴールデンレトリバーだったのです。続いて2位がフレンチブルドッグ、3位がラブラドールレトリバーでした。

ペットのガン手術にかかる費用は?

大切な家族であるペットにガンがあると分かり、手術することで命を繋ぐ可能性があると言われたら、やはり人と同じく「手術で助かるなら…」と手術を決意すると思います。

そこで気になるのがペットのガン手術にかかる費用ですよね。ペットは保険がきかないため、高額になるのは必須です。
ペット保険に加入していても、年間の支払い上限があったりするので、全額保障を受けるのは難しいことが多いようです。

今回、カイくんにかかった費用は手術前検査費用に約17万円、手術費用約58万円。
ちょうど息子が大学に入学することもあって、この出費は妹にとってかなり痛いものとなりましたが、それでも命にはかえられません。

手術は約8時間ほどかかったようですが、脊髄内にあった腫瘍はすべて取れたとのことでした。

本当に手術をしてよかったのか?

手術後、1週間ほどで退院することができたカイくん。
介護用ハーネスを買ってもらい、補助をしてもらって散歩へ行きます。ウンチのときは足に力が入らず、座り込んでしまうようになるので、そのときは介護用ハーネスで座り込まないようにサポートしてもらいます。
足元がおぼつかないなりにも、毎朝の新聞運びもできるようになりました。

そんな中、ふと考えること。

「本当に手術をしてよかったのか?」

結果的によい方向に向いたけど、だからと言って何年も寿命が延びることはなく、再発の可能性も高い。

この病気になり手術をした後、1年以上生きる子はほぼいないと聞いた妹は、
痛い思いをさせただけなんじゃないのか?
私がもっと気をつけていてあげたら…。
と自責の念にかられます。

そんなとき、獣医さんに言われた言葉。

「お母さん悩んでる顔してますね。でもね、あのままだと確実に1ヶ月もしたら寝たきりになってましたよ。だから手術したこと絶対間違いじゃないです。高い手術代やったと思います。でも、それだけのことは絶対ありますから、100%間違いではなかったと僕は思いますよ!」

そう言われて、ハッとなります。

「この病気は、頭は元気だから寝たきりで動けないけど、食欲があって元気って言うのが1番可愛そうなんです。今少し不自由で麻痺は残ってても、歩いて散歩もいける、立って食事もできる方が絶対良いですよ」

そうだ、毎日一生懸命この子は生きてる。今、生きてる命を1日でも長く元気で…。

病気になったペットにとって何よりのものは…

妹は今、毎日嬉しそうに「ご飯~、ご飯~」と待っているカイくんのために、本を買って、ガンに負けない体を作るための食事を作っているそうです。

病気になったペットにとって何よりのものは、飼い主さんの温かい愛情です。
仮に金銭的な理由で手術を受けられないとしても、飼い主さんの気持ちをペットは痛いほど理解しています。それで恨むことなんて絶対ない!

どんなペットでも、寿命はきます。そのときペットは心から飼い主さんに「ありがとう」の気持ちを残して虹の橋を渡るでしょう。

飼い主さんが悩めば悩むほど、その気持ちを感じとった心優しいペットは、早く飼い主さんを楽にしてあげなきゃ…と思ってしまうといいます。

1日でも長く一緒に…そう思うなら、「あなたがいることが、私の幸せなんだよ」と、目をかけ、心をかけてあげることが、一番の治療ではないでしょうか。

最近のカイくんは、頭の傷跡もだいぶ分からなくなりました♪

 

 

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