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[再読]ハンバーガーの教訓 〔著者:原田泳幸 氏〕

原田泳幸氏と言えば、現在、株式会社ベネッセコーポレーションの代表取締役社長で、ソニー株式会社の社外取締役。そして何より、日本マクドナルドの会長兼社長兼CEOだったことで有名です。

現在のマクドナルドの状況、ベネッセの個人情報漏えい問題など、今でこそ評価を落とした感のある方だが、僕は個人的に大好きな経営者です。

先日9月2日に下記の記事を読んで、原田氏の功罪なのだろうか?と疑問に思ったのが、再読のきっかけでした。

262億円の大赤字!  マクドナルドは何を間違えたのか 7年でナント売上半減、効率重視のツケ(現代ビジネス

この著書「ハンバーガーの教訓」は、2008年1月初版であるが、この本の出版前後からマクドナルドの雲行きが怪しくなってくる。

1月初版ということは、少なくとも2007年11月頃にはほぼ内容は固まっていたと推察できるが、ちょうどその頃、調理日時の改ざんや賞味期限切れ商品の販売などが発覚、そして出版と同じ2008年1月には、未払い残業代の問題で敗訴。

2004年に社長兼CEO就任後、地域別価格の導入やマックカフェなど次々に新規事業をヒットさせ4年間で1000億円の売上増を達成するなど、その実績は目を見張るものがあった。しかし、さまざまな問題が発覚するなどし、少しずつ苦戦をしいられる。

本書については、就任から4年間のいわば「最もいいとき」を切り取ったもので、若干物足りなさを感じるが、氏の考え方は十分に伝わってくる。

ちなみに、この本の印税は、マクドナルドの財団を通じてチャリティー活動に使われているということで、30冊ほど購入し周囲の方々にプレゼントした。

で、ちょっと本書とは離れるが、4年間で1000億円の売上増について触れておきたい。

公式 【売上=客数 × 客単価】

価格戦略としては、高価格帯のクォーターパウンダー、低価格帯の100円マックなどをラインナップしていたが、ご存知の通り、あまり客単価のアップには繋がっていない。

当時3500〜3800店ほどあった数の力学を活かした「客数」の増大こそが売上増の要因でした。何よりも業務フローを徹底的に見直し、お客さんがオーダーしてから商品を提供するまでの時間を1秒単位で短縮していきました。(60秒チャレンジはちょっと極端でしたが・・・・汗)

ドライブスルーの提供時間を、全店で1秒短縮すると約8億円の売上増になるという分析から、平均30秒短縮し250億円売上をアップさせるなど、その戦略は同じ経営者として流石のひと言でした。

しいて言えば「長くやり過ぎた・・・」と思います。

もっと早く、後継者候補を選定・育成して5年位で継承しておけば・・・・

それでも原田さんの功績は素晴らしいと思うのです。

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