1分間ピケティ(著者:西村克己 氏)
本来であれば、トマ・ピケティ氏の「21世紀の資本」を読むべきなんだと思うんですが、読破する自信も、読解する自信もなかったので、西村氏の1分間シリーズを手にとった。
先に西村氏の1分間シリーズは、この本以外にも
・1分間コトラー
・1分間ドラッカー
・1分間マイケル・ポーター
の3冊を読んでおり、この本で4冊目である。
最近では「マンガで読む(KAN Lab)」シリーズなどもあるが、本棚に置いたときの見栄えも考えると、こっちかなあ〜と思っている。
1分間ピケティ 「21世紀の資本」を理解する77の理論 (1分間人物シリーズ)
せっかく簡便に解説してくれている本を読んでも、簡単に説明できないという自分の能力の稚拙さを嘆きながら、できるだけ簡単にピケティに触れて行こうと思います。
まず、ピケティ氏の「21世紀の資本」は、富の格差がなぜ起きるのか?を歴史的に解明した本だということだ。
そして、富めるものから富んでいけば、いずれ富の格差はなくなるというトリクルダウンを完全否定したとのこと。
労働所得と資本所得(権利所得)の2つの所得があり、資本所得が労働所得を上回っている。その大きな要因として有名になった、【r > g】の公式がある。
rは、資本収益率
gは、経済成長率
経済成長率を、資本収益率が1世紀以上も上回り続けているから、資本所得を得ている人と、労働所得を得ている人との格差は広がり続けている。
その上で、世界経済や日本経済に対して、さまざまな提言がされている。(細かい内容はぜひ本を読んでみてください)
そして素晴らしいなあと思ったのは、自分(ピケティ氏)も含めて経済学者ではこの格差を縮小することはできないと、嘆いている点でした。
僕自身は実は最近よく見聞きする「格差」というものが、良いのか?悪いのか?自分なりに答えを出せていない状況だったんです。が、このピケティ氏の考えに触れて、少しですが「格差」がこれ以上拡大するのは、好ましくないと思うようになりました。(だからと言って、何かできる訳ではないが・・・)
それは歴史上、格差が縮小された要因は、2つの大戦と世界大恐慌しかないとのことです。言い換えれば、このまま格差が拡大すると、戦争か大不況が来るってことです。
それはちょっと嫌だなあと思ったんです。
一人ひとりが、知織化された市民として行動すべきだ。
と、最後に書かれていました。
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