名刺交換のマナーは研修あるいはマナー本などで基本的なことは勉強できますが、テクニックを使えばより一層先方に好感を持たれ、ビジネスが有利になります。
そのためには、上司や上司から学ぶのも大切。
今回は私がベテラン商社マンから学んだ、名刺交換をワンランクアップさせるテクニックをご紹介します。
●ベテラン大手商社マンに学んだ名刺交換の極意
私は某メーカーの営業部に所属していました。支社に大手商社で30年以上務めたベテラン営業マンがいて、営業に同行する機会があり、そのときに名刺好感の極意を教えてもらいました。
商いの街大阪で修行して、1円でも多く売る、1円でも無駄にしない、顧客との関係を第一に考えるという、根っからの商人気質の上司でした。
もちろん、口頭で教えてもらった考え方や心がけなどもありますが、やはり一番勉強になるのは、実際に名刺交換のしかたを見て学ぶことです。どのように名刺を渡して、どのように話を運ぶかというテクニックは、その人が自然に身につけてきたノウハウなので、なかなか口頭では教えてもらえないもの。そしてどのように商談や打ち合わせが運んでいくのかということは実際に体験してみないとわかりません。
現場で目にすることで、非常に多くの気付きがありましたので、可能な限り文章化してお伝えしたいと思います。
●使える名刺交換のテクニック3選
それでは、実際に私が学んだ名刺交換の極意をご紹介します。
・名刺は絶対に先に受け取るな
ベテラン大手商社マンは「絶対に自分から名刺を先に受け取らない」を信条としていました。
名刺交換は目下の人が先に差し出し、目上の人が先に受け取るというのがマナーですが、ついつい現場では曖昧になりがち。
「絶対に自分から名刺を先に受け取らない」という考え方を徹底してインプットしておくことで、自分の行動も変わってきますし、立場をわきまえているということが相手にも伝わります。
・名刺を受け取ったらよく観察して話を盛り上げる
名刺を受け取ったらまず名刺に書かれている情報をチェックし、一言コメントを添えるとその場が和やかになります。
よくあるのが、名刺のデザインやロゴを褒めるもの。「カッコイイですね」「このキャッチコピー面白いですね」など、名刺の特徴を褒めれば先方も喜んでくれます。
もっと懐に入りたい場合は、地元トークがおすすめ。特に先方が訪問したときに使えます。
「名古屋からお越しになったのですか。リニア新幹線の開業も控えていますし、これから楽しみですね」と経済ネタを振ってみるのも良いですね。「お忙しいなか、わざわざ遠いところからお越しいただいてありがとうございます」というように先方をねぎらう一言も素敵。「北海道からお越しになられたんですね。私も何度か旅行で行ったことがあるんですよ!札幌雪まつり綺麗ですよね」「今度福岡に行くんですけど、美味しいラーメンのお店を教えてください!」というように、プライベートな話に持ち込むと親近感がわきます。
住んでいる場所、仕事している場所はその人の個性の1つでもあります。地元トークは盛り上がりやすく、地元を褒められると誇らしい気分になるので、相手の心を開くには効果的。私が同行したベテラン大手商社マンも、必ず商談の前にいきなり本題に入るのではなく、軽く雑談をして場の雰囲気を和ませていました。
できれば、先方に合う前に地元のニュースや情報をチェックしておく、普段から見識をもっておくなど、会話の引き出しを作っておくと良いかと思います。
・特別感を演出する
先方の信頼を獲得する高等テクニックです。名刺に携帯電話番号や個人のメールアドレスが書かれていない場合に限るのですが、その場で名刺に個人用の携帯電話やメールアドレスなどの番号を書き、「お困りのときは、いつでもこの番号に連絡してください」と渡します。
想いを寄せている異性から携帯電話の番号やメールアドレスを聞き出せると、一歩前進したような感覚がありますよね。
ビジネスも同様。名刺に書かれていない個人情報を書き加えることで、特別感を演出することができますし、先方に安心感を与えることができます。実際に連絡先を記入することで、先方とのパイプも築くことが可能です。
会社の経営者や個人事業主の中には、敢えて名刺に携帯電話の番号を記載せず、名刺交換のときに都度書き加えている人もいるのだとか。個人情報を書き込むのは勇気が必要ですが、ここぞというときには試してみるのも良いかと思います。
●ちょっとした気遣いで名刺交換は格段に良くなる
以上、名刺交換のテクニックをご紹介しましたが、いずれもちょっとした気遣いが込められています。
基本的なマナーを守っていれば、相手に失礼にならないので、商談や打ち合わせも無難に進めることが可能です。
相手とより親密になりたい、強いパートナーシップを結びたい、契約に結びつけたいという場合には、プラスαのテクニックが効果的。ちょっとした気遣いを取り入れれば、相手の好感度をグッと上げることができます。
今回ご紹介したテクニック、あるいは周りの優秀な上司・先輩の名刺交換テクニックを参考にしていただき、ご自分のものとして取り入れてみてください。きっと、今よりもワンランク上の名刺交換ができるようになるかと思います。
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