「甘えさせ」は自立へ向かい、「甘やかし」はエスカレートする。

市川弘美

子どもを甘えさせると、どんどん甘えられて、キリがないんじゃないか
という不安から、なかなか子どもの「ママ、~~やって」に手を差し伸べられないことも多いですね。

わたしも、子どもの言うことを何でも聞くなんて、そんなんアカンよと思っていました。

それに甘えさせが良いと分かってからも、なかなか上手に甘えさせることはできませんでした。少しずつ変わりました。

「甘えさせは、子どもを自立へ」というのが分かりやすい例として、おこづかいの経験をお伝えしますね。
 

毎月のおこづかいが500円。
子「今月は足りないから200円余分にちょうだい」と言われて、

甘えさせは、
「いいよ」とだけ返して、200円を出してあげること。

甘やかしは、
「200円で足りるの?300円わたしとくわ」
「どうして、足りなくなったの?」
「おこづかいだから、1カ月500円より多く使ったらダメよ」
「何に使うの? 大切にしてね」

など、アドバイスや先回りをして、200円や300円をわたすことです。

前者と後者のどちらが、子どもが自分で考えて結論を出し、その結果に責任を負うようになるでしょうか。

もちろん前者の「甘えさせ」のほうですね。

後者の甘やかしは、使い道を口出ししたり、クギをさしたり。
「大切に使うのよ」と言いながら、余計に300円渡したり。。。

そうこうしているうちに、子どものほうも、200円足りないところを、「300円足りない」「500円がいい」と要求してくるようになるかもしれません。

大切にしてね、とママに言われたので、本当に欲しいものを買うことができなくなったり。

おこづかいは、「本当に欲しいもの」を自分の決断で自分のお金を出して買う」トレーニングです。甘やかすと、その練習ができなくなりますね。

甘やかしは、考える力・決断力・実行力などが育ちにくくなる、おこづかいは、その1つの例にすぎません。

甘えさせれば甘えさせるほど、エスカレートしていく、というのは親の思い込みと不安からきている言葉だと思います。

実際は、甘えさせれば、ちゃんと自分で考えて行動し、失敗も経験しながら、自立へ向かいます。

大丈夫なので、子どもに「~~やって」と甘えられたら、手を差し伸べてみてください。

子どもの満足した表情が見られますよ。それは、親に信頼されているという安心感から、心が満たされ、自立へと向かっている子どものサイン。そう信じて、子どもを見守ってあげましょう。

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市川弘美

茶道の楽しさや「和」への感性、そして侘び寂びの「美」について、「茶の湯」のことを分かりやすい表現で文章にし、読者の皆さまへお届けします。

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