仕事と趣味・・・仕事が趣味・・・
最近、子どもや若い方々と話していると「好きなことを仕事にする」という話題によくなります。
スキメシ とか言うそうです。
僕自身は正直、これまで好きなことを仕事にしたことがなかったし、趣味らしい趣味も持ったことがないのですが、彼らは学校やキャリアカウンセリングなどで「やりたい仕事は?」と尋ねられて、ちょっと考えちゃうんだそうです。ってことで、僕も考えてみました。
満足するのは誰か?
仕事の目的は、相手(お客様や取引先、または上司など)の満足であり、その目的を達成することで、自己の満足も得られる。
一方、趣味の目的は、自分が楽しむこと。自己満足が目的かな。自己が満足できるレベルにこだわるので、妥協できない・・・。
その強いこだわりのある趣味を、仕事にしようとすると、他人と価値観をすり合わせしなければならなくなり、妥協が必要かも。
お金を払うのが誰か?
趣味は、お金を払ってでもやりたくて楽しいこと。
仕事は、商品を買って頂いたり、給料をもらうなど、お金を払ってもらわなければなりません。
だから、仕事は自分が良いと思っても、お客様や取引先、会社や上司に価値を認められなければ意味がない。
納期や予算があるか?
趣味には、期限や予算はない。(あるとしても自分で決めればいい・・・)
仕事には、必ず期限と予算がある。
仕事である以上、自分が納得できなかったとしても、締切や予算の範囲内に収めなければ、その仕事は諦めるか?別の方法を考えなければならない。常に、重い責任と結果を求められます。
作品・商品・製品
僕は以前、建築設計の仕事をしていました。
そんな経験から、趣味で書いたデザイン画やパースなどを「作品」と呼んでいました。しかし、仕事の実績を提示させて頂く場合に、納品(引渡し)した建物や内装については「商品」と呼ぶようにしていました。そして、建築中で納品(引渡し)前の建物や内装については「製品」と呼んでいた。
- 作品は、自分が楽しんだだけ。
- 商品は、相手(お客様)が価値を認めて下さったモノ。
- 製品は、機能だけは整ったが、まだ相手に価値を認められていないモノ。
かならず、明確に区別していました。
間違っても、納品したモノを「当社の作品集」などと呼ばせないよう、従業員にも徹底していました。作品集って言うのは僕の会社にとっては、自分たちの思いつきや楽しみをスケッチしたり、メモ描き程度に残した未だ価値の認められていない状態と定義していたんです。
仕事が趣味という考え
僕自身は、仕事が趣味だと言ってきました。
(まあ、趣味らしい趣味もないし・・・汗)
責任を持って取り組み、相手(お客様)に喜んで頂き、そして同時に自分の能力や生産性が向上することを、全部同時に叶えてきました。(もちろん、中には自分の納得は譲って妥協したことも多々ありました)
大原則は、相手や他人に満足頂くことが仕事ですが、どんな仕事も、主体的(自分の事として)に取り組むことで楽しんできました。
哲学者:ハンナ・アーレント の 3分類
読書好きの僕は、高校生のときにハンナ・アーレントの本を読みました。
彼女はこう分類していました。
1)活動(action)
自発的にやる事。
心からやりたくてやる純粋な行動。
2)仕事(work)
職人的な誇りを持ってやる事。
金銭などの利益目的もあるが、仕方なくやらされているだけでなく、むしろヤル気に満ち溢れている。そして仕事は社会的に素晴らしい結果をもたらす。
3)労働(labor)
完全に生きるためだけ、食うためだけにやっている事。
本当は、やらないで済むならやりたくないこと。
これを読んだときに、高校生の僕は「仕事をしよう!」と決めたことを思い出しました。
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