しつけは、何才になったらすればいい?

市川弘美

「今子どもを受け入れていますが、いったい、しつけは何才になったらすればいいのでしょうか」

というご相談がありました。
わたしは子どもが2~3才のころ、厳しくしつけていて逆効果だったので、真逆のあまあま(甘々)に方向転換しました。

先日のセミナーでも同じような話があり、ほかの参加者のかたたちと話し合ったりしましたが、やはり悩みながら、試行錯誤しながらという印象でした。わたしもその一人です。

もちろん、コレという正解はないように思いますし、考え方も家庭によって個人によってちがうのではないでしょうか。

また、小さいうちにしつけておくという考えだったり、お姑さんに「甘いわね~」と言われるのがプレッシャーに感じたりするケースもあります。

ご主人に「おまえがちゃんと、しつけないからだ」と言われて悩んでいる、というお話も聞きます。

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しつけについては、本やインターネットでも情報があふれています。ここでは私の経験でしかありませんが、個人的な考えをお伝えしますね。

わたしも分からないながらも、ちゃんとしつけなくてはと思って厳しくしていた時期がありました。子どもが2~3才のころでした。

ところが逆効果で、子どもはよくパニックを起こしていました。かんしゃくがひどかったり、ワケもなく泣いたりしていました。

そこで私の「厳しい子育て」は、きっかけもあり真逆の「あまあま&まぁまぁ」に方向転換したんです。

さらに、子どもの言うことをできるかぎり、できればすべて(実際はすべて聞き入れることはできなくても)聞き入れていくことにしました。

おかげで(?)今になって、言葉づかいや食事などは、おそいかな、ヤバイかな、と正直感じることもあります。

ただ、物事は何才からでも始めることも学ぶこともできるので、焦りはあまりありません。
完璧を求めていません。


※あまりにも美味しそうに食べるので何も言えなかった。

ただ「しつけ」となると、どうしても肩に力が入ってしまいます。
子どもを見る顔つきも知らず知らずのうちに、きつめになっているかもしれません。それは子どものことを思えばこそなんです。

わたしは折にふれて、子どもには「分かる年齢のときに、分かることを」伝えています。

極端なはなし、お箸を持てない1才の子に、お箸の持ち方をどれだけ説明しても、ちんぷんかんぷんです。
ただ、説明することはできなくても、日ごろから周りの大人が、お箸の持ち方を見せることはできます。

食事のマナーやおもちゃの片付けなどは、「やって見せてさわらせて」というふうに、お手本になるのが良いとおもってやっています。(と言いつつ、わたしが部屋を散らかしているので、あまり子どものお手本にはなれない。。。) 

悲しいかな、しつけというのは、伝えたらすぐに効果が目に見えるものでもありません。

わたし自身、食事のときはかなり厳しくしつけられて、子どものころは食事時間が苦痛でしたが、今では背筋を伸ばしたりお箸をきれいに持てたりと、良かったこともあったなと感じます。

わたしがそうであったように、しつけの効果はやっぱりすぐには出ないのです。

根気よく伝え続ける、というのが正論ですが、そう思うとしんどくなるので、気がついたときに気がついたことを、子どもにやって見せたり説明したりしています。

「何回同じことを言わせるの!」と思ってイヤになることもあります。でも年齢とともに、理解できることも身に付いて実践できることも、確実に増えていきます。

大切なのは、本に書いてある情報や友達と比べず、我が子の半年前や一年前と比べて、どうかということです。

今ムスコは小4ですが、片づけや食事のことは、毎日何かしら私から言っています。

一方で、何も言わなくても、翌日の時間割を準備したり、手紙や給食袋を出してくれたりします。

寝る前の歯みがきはサボリぎみで。。。

こんなふうに出来ているところを見ると安心するし、出来ていないところを見ると、不安になりウルサク言いながら、大丈夫かなと悩んでしまいます。

ふぅ、なかなか思うようにはいかないのが子育てでアリマス。

悩んだり、試したり、時には叱ったり、またある時には子どもの成長をよろこびながら、子育ては続きますね。
一緒にがんばりましょう!

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市川弘美

茶道の楽しさや「和」への感性、そして侘び寂びの「美」について、「茶の湯」のことを分かりやすい表現で文章にし、読者の皆さまへお届けします。

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