チェット・ベイカーの声という隠れ家
出逢いは大学時代、親しかったクラスメイトから借りた3枚組
トランペットの響き以上に、その中性的な声に魅了されました
訃報に触れたのも、彼の部屋で呑んだくれ記憶を失いかけた頃
かけっぱなしのFM番組内にて、ニュース速報されていました
そして早いもので、本日35回目の命日という節目を迎えます
その後、手に採った寺島靖国さんの著書ではこんな描かれ方が
きびしいジャズの道から脱落したかもしれない一人の男を救済
そのレコードこそ名盤の誉れ高いコチラのヴォーカルモノです
その著書でも寺島さん曰く、安らぎとくつろぎで聴くレコード
これ以上は、以前紹介したコチラの本を手に採ってみて下さい
※「辛口JAZZノート」
https://books.view.cafe/liberal/388/
紹介の決まり文句は、ウエストコースト・ジャズの代表的存在
もちろん間違っていないですし、小生も長らくその認識でした
1950年代、あのマイルスを凌ぐ人気だったという話もあり
その50年代の作品群で傑作との呼び声高いのがコチラの名盤
ピアノがビル・エヴァンスというのもファンには嬉しいところ
ご多分に洩れず小生も、ヴォーカル含め50年代に集中でした
というのも、50年代後半以降ドラッグに溺れてトラブル続き
70年代にはそのドラッグが原因のケンカで前歯を折られ休業
そんなエピソードを耳にしたので避けていたのかもしれません
しかしながら私的にここ数年晩年の作品ばかり愉しんでいます
聴くほどに改まりキャリアハイは鬼籍に入る数年前かとの認識
きっかけはデューク・ジョーダンとの1979年のカルテット
彼の名曲『GLAD I MET PAT』収録を知りポチっ
※この曲は、彼の名盤ピアノトリオでも是非聴いてみて下さい
聴いてみると何とも味わい深いトランペットの音色に包まれて
赴くまま85年録音のコチラを聴くとその認識は確信に変わり
リー・モーガンの若さ漲る演奏も良いけど枯れた味わいも豊潤
今ではサブスク活用し晩年ライブ盤を聴き漁っている状況です
中でも白眉と言えるのが、亡くなる前年での東京でのライブ盤
1987年6月昭和女子大学人見記念講堂でのツアー最終公演
2時間超の収録時間がアッという間に想える至福のひと時です
自身の死を予感していたかと想える妖しい極上演奏は必聴モノ
またコチラの作品大変録音状態が良いことも特筆しておきます
※何故かサブスクは全13曲なのに、CDは11曲なのですね
当時お江戸で学生生活を愉しんでいた小生アンテナ感度が悪く
駆けつける以前に公演すら知らなかったのは不徳の致すところ
それでも、今こうやって何度も愉しめることに幸せを感じます
そんなチェットの音源を聴くに相応しい隠れ家が、コチラです
プチ遠征となり、最寄駅から徒歩で20分強というアクセス故
年に1~2回しか足を運べないのが玉に瑕ですが、憩いの場所
ちなみにチェットのレコードは100枚を超えるという話です
屋号は「チェット・ベイカーの声」ですからホンモノですよね
それ以上に圧倒されるのは、蔵書のボリュームと、そのセンス
こんな作品と出逢うためにも計画立てて再訪せねばなりません
谷口ジローコレクション(19) センセイの鞄1 (谷口ジローコレクション 19)
谷口ジローコレクション(20) センセイの鞄2 (谷口ジローコレクション 20)
ご一緒されたい方は、小生までコッソリお声がけくださいませ
私的に最も好きな居酒屋さんとセットでエスコートいたします
※もちろん、相手を選択させていただくこと予めご容赦下さい
今回も共感いただければ嬉しく存じます
またね!
※初の追伸※
このGWに聴いたコチラの最晩年のカルテット
何とエンリコ・ピエラヌンツィ・トリオと録音
大好きなピアニストと死の直前2か月前に共演
改めて合掌
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