ハービー・ペニックの教え
遅ればせながら、2022年あけましておめでとうございます
この年末年始、実家に顔を出した際、たまには蔵書の整理整頓もしないと、なんて想いながら結局手付かず・・・
その代わり、懐かしいアイテムを何冊か選んで自宅へ持ち帰りました
本日ご紹介するのは、そんなアイテムの中のシリーズ、ゴルフレッスン本です
レッスン本といっても、昨年ご紹介したボブ・ロテラ先生の『私が変わればゴルフが変わる』シリーズ同様、所謂技術本ではありません
https://books.view.cafe/business/869/
ゴルフに対する向き合い方について教えてくれる、ある意味心のレッスン書ともいえる逸品です
『奇跡のゴルフレッスン』 ハービー・ペニック/バド・シュレイク 著 本條強 訳 マガジンハウス
書縁をいただいたのは今から30年近く前の1993年
以来、するゴルフを楽しんでいた頃、何度も読み返していた印象です
今回、実践読書術を活用しましたが、おそらく20年ぶりの再読でしょうか
ハービー・ペニックの人生について読むことができるのは心からの喜び
ハービー・ペニックは人生とゴルフというものの最高の形を表している
ハービーは私の知っている人の中で一番満ち足りた人生を送っている人
これをちょっとやってみようか
遊び心を忘れないでプレイした
自分についていろいろと学ぶことのできるゴルフというゲーム
やりがいのある練習をすることが大切
考えるということは、この世で最も辛い仕事
死ぬ気で目標を定めなさい
シンプルで、やさしい言葉の中、ハッとする辛辣な内容も適度に飛び込んでくる良書ですね
少し残念なのは、原題である『Harvey Penick’s Little Red Book』を邦題にしなかったこと
この続編が『Harvey Penick’s Golf Green Book(邦題:ハーヴィー・ペニックのゴルフ・グリーン・ブック)』でしたから・・・
『ハーヴィー・ペニックのゴルフ・グリーン・ブック』 ハービー・ペニック 著 菊谷匡祐 訳 集英社
後年、版元が変わって『ゴルフレッスンの神様ハーヴィー・ペニックのレッド・ブック』というタイトルで文庫化されているようです
ゴルフレッスンの神様ハーヴィー・ペニックのレッド・ブック (日経ビジネス人文庫)
残念なのは、翻訳が少し稚拙と想われるのに、訳者が変わっていないこと
文庫化(版元変更)に際し、手を加えられているなら良いのですが・・・
実際、上記の「死ぬ気で目標を定めなさい」の原文は「Take Dead Aim」というご指摘を、敬愛する先輩からfacebookコメントを通じてご指摘いただきました
どうやら
「ターゲットを1点に絞れ」
「1点に集中しなさい」
というニュアンスが適切な翻訳のようですね
※この辺りは誤認識であればご教授くださいませ
そして、前述の『グリーンブック』の日本語版が出版された直後の1995年4月、ハービー・ペニックのお弟子さんである、往年のレジェンドゴルファー、ベン・クレンショーがキャリア2度目のマスターズ優勝に輝きました
ハーヴィー・ペニックのゴルフ・グリーン・ブック (集英社文庫)
実は、大会開幕一週間前、師匠ハービー・ペニックの死に触れ、失意の中で迎えた試合でした。
当時彼は全盛期を過ぎ、飛ばないことでも有名で、しかも師匠の死に直面するという状況の中での神憑ったプレイの連続は、今でも印象的です
印象的といえば、彼が18番グリーンで最後のパットを沈めた瞬間、両手で顔を覆い泣き崩れたシーン
「私のバッグには15本のクラブが入っていた」
という言葉はマスターズ史上に残る名言として語り継がれています
もちろん15本目のクラブは、師匠ハービー・ペニックのことです
そして、この優勝はベン・クレンショーにとって、最後のツアー優勝となりました
実家には、コチラの本を含め200冊ほどのゴルフ関連本が残っており、実は今回、そのゴルフ関係の本を思い切って処分しようかと想っていましたが、こういう本を再読できるので止めておくことにしました
ちなみに、手元にはシリーズ3作目の『ハーヴィー・ペニックの最後のゴルフレッスン』というアイテムもありますので、明日以降の実践読書術で採り上げてみようと想います
『ハーヴィー・ペニックの最後のゴルフレッスン』 ハービー・ペニック 著 大地舜/赤山雅彦 訳 小池書院
そして、本日1月11日はそのベン・クレンショーのお誕生日
忘れてはならないプレーヤー、そして師弟関係ということで、今回ご紹介させていただきました
今回もお役に立てれば幸いです
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