ゴルトベルク変奏曲
ある意味、前回の投稿の続きとも言えるかもしれません
『マタイ受難曲』にノックアウトされた小生、続いて手を出してしまったのが『ゴルトベルク変奏曲』でした
偶然、市内某所で見かけた中古CD市に立ち寄ると、クラシックコーナーが目に留まりました
引き寄せられるように赴くと、バッハのエリアのCDを出し入れしていた小生
そこで見つけたのが、グレン・グールドの81年録音盤
帰宅後、落ち着いたところで聴き始めると、誤解を恐れずに言えば、リヒターの『マタイ受難曲』以上の衝撃が
コレは、ジャズだ・・・いや、ロックだ・・・
半世紀近く音楽と戯れてきましたが、その集大成と出逢ったのでは
その衝撃と共にそんな情動を感じ取り、大袈裟でなく、動揺してしまいました
聴き通した直後から、何度も繰り返し聴き込み、落ち着きを取り戻したところで『マタイ受難曲』へ導いてくれた先輩へ報告しました
すると、1955年録音盤と比較するのも面白いということを教えていただき、ネットでいろいろ検索すると、とんでもない代物の存在を知ることに・・・
グレン・グールド・ザ・コンプリート・バッハ・コレクション(38CD+6DVD)
生前にソニー(COLUMBIA~CBS)からアナログ盤で発売されたグールドのバッハ作品の全アルバム30タイトルを、初出時の曲目構成とオリジナルデザインを紙ジャケット仕様で再現し、特別編集盤を8枚、加えて映像音源とインタビューも6枚のDVDに収録した大作です
初回生産限定盤というフレコミも興味をそそります
どうせ1955年の『ゴルトベルク変奏曲』を聴くなら、グールドをトコトン聴いてみよう
そんな想いから、ネット検索を続けると、新品同様の美品中古品が、送料込み1万円以内で出品されていることを知り、衝動的にポチっていました
Bach, J.S.: the Complete Colle
コチラのBOXセット、その豊かな音源もさることながら、オリジナルアナログ盤の全ライナーノーツとグールド研究の権威の書き下ろし解説が収録されたオールカラー仕様のハードカヴァー別冊が収納されています
☆1955年録音の解説ページですね
入手した当時は、しばらくドップリ沼にハマり込んでいましたね
特に、『ゴルトベルク変奏曲』は、世にも有名な55年と81年の録音のみならず、59年のザルツブルクでのライブ盤はじめ、映像も採り上げられています
一か月程経過して、ようやく沼から這いずり上がると、俄然『ゴルトベルク変奏曲』への興味が募り始めました
気づくと、『ゴルトベルク変奏曲』のCDが手元に20タイトル以上・・・
『ゴルトベルク変奏曲』の存在を現代人に知らしめてくれたとも言えるワンダ・ランドフスカ女史の2タイトルを皮切りに、チェンバロ演奏ではグスタフ・レオンハルト、ボブ・ファン・アスペレン、スコット・ロス、トン・コープマン、武久源造・・・
ドミトリー・シトコヴェツキー編曲による弦楽三重奏・・・
もちろん、ピアノ演奏では、グールドのヴァンクーバーでのライブ盤をはじめ、ロザリン・テューレック、アンドラーシュ・シフ、マレイ・ペライア、エフゲニー・コロリオフ、アンドレイ・ガブリーロフ、ヴィルヒルム・ケンプ、ヴラディーミル・フェルツマン・・・
この他に、サブスクも駆使して、この3年間、毎日とは言い過ぎですが、少なくとも毎週のように聴き続け、そのタイトル数は、50種を優に超えると想われます
そんな深い沼の中から、現時点で1作品選ぶとしたら、コチラの作品になるでしょう
シュ・シャオメイ(朱曉玫、Zhu Xiao-Mei)2016年録音
文化大革命に翻弄された彼女は、現在ヨーロッパを拠点に活動されています
1990年録音も好盤ですが、コチラがオシです
そして、彼女の演奏に聴き惚れてしまうと、もっと知りたいという想いに駆られて調達したのがコチラの逸品
『永遠のピアノ〜毛沢東の収容所からバッハの演奏家へ ある女性の壮絶な運命』
シュ・シャオメイ著 槌賀七代 (監修), 大湾宗定 (翻訳), 後藤直樹 (翻訳), 阪口勝弘 (翻訳), 釣馨 (翻訳) 芸術新聞社
ある音楽家の衝撃的な人生のみならず、中国共産党の史実から、腐った組織の醜悪さについてもまざまざと知ることができる現代人必読の書と断言いたします
私的に昨年の過去出版部門でも堂々の筆頭に位置付けていましたね
永遠のピアノ〜毛沢東の収容所からバッハの演奏家へ ある女性の壮絶な運命〜
『ゴルトベルク変奏曲』については、まだまだ語りたいことが山ほどありますが、これくらいで自重して
今回も一人でも多くの方が、共感していただけると、嬉しいです
それでは、またね!
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