一つの和菓子から無限の想像の世界へ

市川弘美

 

お茶で出される和菓子で、濃茶とともに出される和菓子を「主菓子」(おもがし)と呼んでいます。

主菓子には、名前が付いていることが多く、この名前のことを「銘」(めい)といいます。

 

先日のお茶会でも、主菓子に銘がついていました。


※「ひなの袖」

 


※「花あかり」

 

上の「ひなの袖」は、ちょうど桃の節句の頃のお菓子でした。
おひなさまの袖の形をした意匠で、一輪の花を落としています。

この「ひなの袖」を見て、思い起こすのは、

・幼い頃実家に飾ってあったひな人形の十二単の着物。
・茶室にある、おひなさまの香合。
・幼い女の子が着ている、四つ身の着物の可愛らしい袖。
・自分自身の桃色の着物

などなど、単にひな人形だけでなく、様々な出来事やシーンです。

一つの主菓子から、いろいろな「ひなの袖」が想像できますね。

こんなふうに、主菓子に付けられている銘一つで、さまざまのことを思い描き、想像をふくらませることができるのが、茶の湯の楽しみです。

もう一つの主菓子「花あかり」で、あなたは何を想像しますか?

 

 

 

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市川弘美

茶道の楽しさや「和」への感性、そして侘び寂びの「美」について、「茶の湯」のことを分かりやすい表現で文章にし、読者の皆さまへお届けします。

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