香道の「源氏香」/茶の湯ライターが分かりやすくつづる日本伝統文化マメ知識
こちらの写真は、和菓子の箱です。
この箱に描かれている、タテ棒が5本1組になった意匠(模様)、見たことありますか?
※金沢市の老舗菓匠「落雁 諸江屋」
風呂敷、着物や帯にも見られますよ。
何かのマークのようですね!
これは香道の「源氏香(げんじこう)」という組香(くみこう)を表しています。
組香というのは、お香を聞いて、香りを当てる遊びのこと。
お香は「嗅ぐ」ではなくて「聞く」と言うんですよ。
組香「源氏香」では、お香が5回まわってきて、それぞれを聞き分けます。
5回のお香が、何のお香だったかを当てます。
5回のお香=5本のタテ棒。これには意味があります。
この箱に描かれている源氏香は
5回のうち、1番目のお香、2番目と4番目が同じお香、3番目と5番目が同じお香。
全部で3種類のお香が出されたということです。
タテ棒の右から数えて、2番目と4番目、3番目と5番目はつながっていますね。
同じお香は、タテ棒どうしがつながっているんです。
〇番目と〇番目が同じという「パターン」が52通りあり、源氏物語54帖のうち、52帖の巻名で呼ばているわけです。
この箱に描かれている源氏香は、何の巻でしょうか?
※源氏香図式の扇子おもて
※源氏香図式の扇子うら
ありました!「初音」の巻きですね。
お香の会では源氏物語のストーリーについても学びます。
茶道でも、香道を取り入れた点前があり、学びのために1~2年ほどお香の会に参加していました。
香道の専門家ではありませんが、「源氏香」の意匠は知っていると楽しさ倍増!なので、今回はお伝えしています。
こんど、タテ棒5本の源氏香の意匠に出会ったら、この扇子で何の巻かを確かめてみてください♪
来年の3月にお香の会に行きます。
ぜひぜひご一緒しませんか~。
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