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これからの「正義」の話をしよう

緊急事態宣言も一部解除され、新型コロナウイルス感染症も収束の兆しが見えてきたようです。

しかしながら、油断は禁物ですし、第二波、第三波への備えは、欠かせません。

備えという意味では、物理的な側面以上に、心得ということも重要ですよね。

その心得のために、参考にしてみたいベストセラー本を紹介させていただきます。

 

これからの「正義」の話をしよう マイケル・サンデル 著 鬼澤忍 訳 早川書房

 

手持ちのアイテムの奥付を確認すると初版の発行日は、2010年5月25日ですから、ブームが巻き起こったのは、今から10年前に遡るのですね。

リーマン・ショックは経験していましたが、この10年、東日本大震災をはじめとする大規模な自然災害が世界中で発生し、そして今、人類は、新型コロナウイルス感染症と向き合い続けています。

いみじくも、サブタイトルは、

「いまを生き延びるための哲学」

学ぶべきことは、沢山ありそうです。

第1章「正しいことをする」では、暴走する路面電車の事例を紹介しながら、「道徳的ジレンマ」について、読者に問いかけます。

続く、第2章「最大幸福原理―功利主義」では、ジェレミー・ベンサムジョン・スチュアート・ミル功利主義を持ち出し、さらに読者に問いかけます。

1人が不幸になることでみんなが幸せになる場合、その不幸は容認されるべきかどうか・・・

今回のパンデミックで、心当たりがある方は、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

第3章以降も、著者からの問いかけは続きます。

そして、これらの問いは、全て答えがありません。

正解がない問いばかりなのです。

本書のテーマは、タイトルにもある通り、「正義」とは何か?というものですが、読者は、サンデル教授の巧みなファシリテーションに導かれ、命題に対し、一人ひとりが、自問自答する仕掛けになっています。

自問自答とは、まさに「考える」こと。

そして、今、我々は、アフターコロナという答えのない世界と如何に向き合うか、を求められています。

そのテーマとは、一人ひとりの「あり方」。

ところで、「考える」とは、どのような行為なのでしょうか?

私たちは、幼少の頃より、家族や先生、また諸先輩や上司から、「よく考えなさい」と言われ続けてきましたが、「考える」とは、そもそもどういうことなのでしょうか?

そして、そのやり方は、誰か教えてくれていたでしょうか?

おそらく、この答えも、千差万別のような印象です。
※もったいぶるようですが、ここでは、筆者の持論を展開しないでおきます(;^ω^)

本書は、「考える」ことの大切さと、そのコストパフォーマンスの高さを、教えてくれているようです。

アフターコロナの世界を見据える上でも、今、手に採る価値は高いと思われます。


これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

今回もお役に立てれば幸いです。

ではでは。

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