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現代日本ワインの父とウスケボーイズ

日本のワイン、本当に美味しくなりましたよね

そして本日は、その日本のワインの功労者ともいえる方の命日にあたります

小生が吞み始めた40年ほど前(計算すると問題があるのでお控えください)、日本のワインといえば、信州あたりの土産物屋さんに陳列されている、美味しいとはとても形容しがたい代物ばかりでした

いただいた当時の日本ワインは、工夫して炭酸水(当時はコチラも手に入れることが簡単ではなかったような)で割ったりして何とか飲み干していた、という記憶が残っています

そんな日本のワインの印象をガラリと変えてくれたのは、今から10年以上前

当時、今以上に懇意にしていたビジネスパーソンにエスコートいただいた、ワインの試飲会でのことでした

美味しい・・・でも、流石にお値段が・・・

それでも誘惑に負けてその場で衝動買いしていたのが

シャトーメルシャン桔梗が丘メルロー

でした

時をほぼ同じくして、盟友とのサシ呑みの際、今は無き丸の内エリアのビストロで、ソムリエさんから薦められた一本がダメ押しでした
☆ココはホントに良いお店でした・・・良いお店って無くなっちゃうんですよね

予備知識も無く口に含み、流し込むと、これまで嗜んだことのない覚醒感とも言うべき衝撃的な体験

岡本さんのワインとの邂逅

の瞬間でした

この超絶美味なワインの生みの親ともいえる、現代日本ワインの父と称される方が、本日紹介するアイテムの著者、麻井宇介(本名:浅井昭吾)さんです

 

『比較ワイン文化考 教養としての酒学 麻井宇介 著 中公新書』

 

初読時のメモから抜粋して紹介しておきましょう

ささやかに、無名のワインをその日だけVDQSにすることで、われわれはよりはるかに大きな満足を味わっている
ワインはワインであって酒ではない
○物事にはすべて頃合というものがあり、酒には飲み頃というものがある

本書の内容から、自身の中から湧き上がってきた気づきのキーワードは次のようなものでした

だから人間も変化し続けなければならない
鑑賞能力を磨き続けること
食文化は美酒とともに比較論として語られるべし

せっかくの機会ですので、もう1冊ご紹介しておきましょう

『ワインづくりの思想 銘醸地神話を超えて 麻井宇介 著 中公新書』

 

コチラは、ワインアドバイザー資格取得に鋭意挑戦中のイケてるビジネスパーソンからオススメいただいたアイテムですが

まさに「無知の知」とはこのこと・・・今日からワインを語ることを封印せねばと思い知らされる学びのひと時でした
初読時、途中からメモを取ることも諦めておりましたが、救われたのは320ページに記載されたフレーズ

 

・・・・・・ワインをどうみるかは、個々のワインを批評することではない。畢竟、ワインの凄さを見抜くかどうかに尽きる。表現することではない。深く感銘するか否かを自らに問うだけである。いや、こう書いてはむずかしくなってしまう。素直に、おいしいか、おいしいと思わないか、自分の気持ちに従えばいい。・・・・・・

 

変貌することによって伝統は継承されてきた
○つくり手として、偉大なワインとはいかなるものかを知っている。そして自分もまたそれを目指す。その高い志がワインの出自となる
技術は思想の上に構築される

コチラは、全ての仕事に通じる哲学書という受け止め方もできるのではないでしょうか

そして、麻井宇介さんの影響を受けて上質なるワイン造りに取り組んだ若者たちは、

ウスケボーイズ

と称されています

岡本英史さんは、その中でも異彩を放ち続けている存在です

 

『ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち 河合香織 著 小学館文庫』

単行本が世に出たのは2010年秋のことのようですが、まさにその頃、岡本さんのワインと邂逅していたのですね

邂逅したビストロでは、以来数回、岡本さんのワインを嗜んでいましたが、今では新しいご縁をいただき、年に2回ほどのペースで県内某イタリアンにて超絶お値打ちに愉しませていただいております
☆ごめんなさい、岡本さんのワインはメニューに掲載されていないので、お店は教えられません
ヒントは、画像のCDブックに寄稿されている方がマダムを務めるお店とだけ申しておきましょう

直近は緊急事態宣言発令(禁酒法施行)の前日、2本嗜んでおりましたね

 

そのCDブックは、下記サイトから入手できます
http://www.resonancemusic.jp/waltz_for_beau_paysage/

 

そして、こちらを原作に映画化もされていますが、橋爪功さん演じる麻井宇介さんの存在感が圧倒的でしたね

 

ちなみに、本書に登場する豊田の須崎さんのワインを初めて飲んだお店も丸の内界隈にありましたが、そのお店も廃業されてしまいました
☆コチラも良いお店だったのですが・・・

本書に登場するといえば、曽我さん鈴木さんのワインはよくいただきますが、城戸さんのワインは未体験だったことに気づきましたので、コチラは引き続き課題ということで

 

本物のワインは人を狂わせる

本物の書物は人を真っ当にする

そして、生きることは味わうこと

 

締めくくりに岡本さんのワインボトルに貼られているすてきなメッセージを画像でご紹介しておきましょう

 

そして、2002年の本日鬼籍に入られた、麻井宇介さんに合掌

今回もお役に立てれば幸いです

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