茶道で使われる「美しい日本語」ってどんな言葉?

市川弘美

 

茶道では、同席した人どうしで、お互いを思いやる言葉をかけます。
それは、もしかしたら私たちが忘れがちな、ちょっとした大切な一言。

今日は、茶室で交わされる会話=日本語について見ていきましょう。

 

お菓子と抹茶は、上座(かみざ)から順番にいただきます。
このときに、自分の両側の方にご挨拶をするんです。

自分より前に飲まれた方(上座の方)に
「お続き、いかがですか?」
(「もう一服、いかがですか?」の意味)

自分より後に飲まれる方(下座にいる方)に
「お先に、ちょうだいします。」

桜咲くお茶を点ててくださった方(亭主)に
「お点前ちょうだいします。」

こんなふうに、前後の方と亭主にご挨拶をしてから、お茶をいただきます。

「お先に」とか、「もう十分ですか?」とか、周りの人たちに声をかけることって、今の生活では少なくなってきていると思いませんか?

 

 

例えば、順番待ちの場面ってありますよね。

・銀行のATM
・スーパーやコンビニのレジ
・駅の切符の自動券売機
・行列でのできる飲食店

みんな無言(笑)
まぁそれが普通と言えば普通なんだけど。。。

商店街や市場に買い物に行くと、八百屋さんや魚屋さんで順番待ちになり、時々「お先に」と声をかけてださる方がいます。

なんかねーそういう時って、とっても気持ちいいんです。
自分を大切にしてもらえてる感じがして、素直に嬉しい。

ちょっとしたことだけど、お互いが大切にし合う、こんな声かけが日常的に交わされる社会であってほしいなーって。

 

 

自分がいただく前に、隣の人を思いやる

「お続き、いかがですか?」

「お先に、ちょうだいします」

 

何てきれいな日本語なんでしょう。
私はこの一言が大好きです。

人から人へかける言葉には「心」がこもっているから、美しいですね。

美しい日本語は、意識しなくても、お互いを思いやっていると、自然と出てくるものですね。

 

 

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市川弘美

茶道の楽しさや「和」への感性、そして侘び寂びの「美」について、「茶の湯」のことを分かりやすい表現で文章にし、読者の皆さまへお届けします。

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