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人はどう死ぬのか

本日は令和四年四月四日

「四」を「死」と置き換えてみると、「死」について考える機会かもしれません

私調べですが、ネット検索してみると、4月4日は「交通反戦デー」

1981年(1989年説もあり?)のこの日、東京都の「交通遺児を励ます会」が交通反戦大会を開き、この日を「交通反戦デー」とすることを決めたそうで、その理由は「4」という数字が「死」を連想させることからなのだそうです

そして「死」について考えるうえで、大変参考になると想われるのが、コチラのアイテム

『人はどう死ぬのか』 久坂部羊 著 講談社現代新書
『死の医学』 駒ヶ嶺朋子著 集英社インターナショナル新書

久坂部羊さんの著書は、『医療幻想』『人間の死に方』等、これまで何度も向き合ってきました

今回紹介する『人はどう死ぬのか』のは、現時点で最新刊タイトルですが、一読してこれは母に読んでもらいたいと、棒線引きだらけの読みたてを渡していました

本を渡してから一週間後の一昨日、両親を花見に連れ出そうと実家に赴いたところ、母から

とても面白かったから、お父さんにも読ませたよ

という反応が返ってきました

その後、お昼ご飯に美味しい味噌煮込みうどんを食べている最中、その父から

あれはためになる本だ、書いてあるとおりだよ

としみじみと伝えられることに

その場で、心臓に持病を持つ86歳の父が発作等で昏睡状態になっても救急車は呼ばないことが家族の決まりとして定められました

・問題は、死が一発勝負で、練習もやり直しもできないこと
・この本を「死に関する新しい教科書」のつもりで書きました
・そもそも、人がいつ死んだかということは、厳密に規定することができない
・死には、生き物としての死、手続き上の死、法律上の死の3種類がある
・医療が進んで、助かる人も増えた代わりに、助からない場合は悲惨な延命治療になってしまう
足るを知る、これが父から受け継いだ上手に死ぬための秘訣です
・わからないうちに死ねば、死は恐くもなんともない
・死に向かったら、そのまま受け入れるのがいちばんだと思っています
・最期を迎えるに当たっては、高度な医療は受けないほうがいい
・医療は死に対しては無力
・我々は必ず死ぬのだから、今のうちに食べて飲んで、人生を楽しめ
・だれしも毎日、一日ずつ残された人生が減っていきます
・死を意識するのは、慣れてしまえば怖くも何ともありません
・ふだんから心の準備をしていないと、救急車を呼ばない状況に耐えるのがむずかしくなります

母との共通認識は、まさかの事態が起こった際、決まり通り救急車を呼ばない選択が本当にできるか否かということ

本書にも描かれていますが、主治医とも相談の上、呼ばないと決めていたのに、気が動転して救急車を呼んでしまい、チューブにつながれたまま延命措置が施されてしまったという実例の存在

何のために、誰のために、常に意識していないといけませんね

そして、作品としては『人はどう死ぬか』以上に面白かったのが、『死の医学』

まだ気は早いですが、私的に2022年屈指の作品であることは間違いないでしょう

前述の久坂部羊さんは、小説家にして医師という立ち位置ですが、駒ヶ嶺朋子さんは、詩人にして医師という異色の存在

著者の作品に向き合ったのは今回が初めてでしたが、早稲田の哲学科を卒業した後、獨協医科大学で医師になり、脳神経内科医として診療にあたる現役の臨床医なのです

それにしても驚かされました

金縛りから臨死体験、幽体離脱、憑依は、脳科学的に証明されているのだそうです

科学的知見とスピ系への洞察、哲学的アプローチ、しかも詩人ですから卓越した文章表現力、そして現役の臨床医ならではの現場力、すべてに脱帽です

そして、共通するのは、

根本治療の対象でない臨終間際の救急搬送は、無駄に苦しみを負う上に、治癒の見込みがないまま医療費もかかってしまう

という見解

そして、今回

だからこそ元気なうちから、向き合うのも辛い死の問題に対して、あえて向き合って決めておくべき

というメッセージをしっかり受け止めてくれた両親に感謝ですね

それでも恐れるべきは、やはりその時には救急車を呼んでしまいそうなこと

人間力を試されますので、心を鍛え続けないといけませんね

何れにしても、超絶オススメの2冊ですので、是非とも手に採ってみてください


人はどう死ぬのか (講談社現代新書)
人はどう死ぬのか (講談社現代新書)


死の医学(インターナショナル新書) (集英社インターナショナル)
死の医学(インターナショナル新書) (集英社インターナショナル)

今回もお役に立てれば幸いです

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