木に学べ
私事ですが、本日(2021年5月1日)7年ぶりに法隆寺を参詣する予定です
久しぶりに救世観音、釈迦三尊像、百済観音と再会できることは嬉しい限りです
しかしながら、一番のお気に入りの仏像の一つ、お隣の中宮寺に鎮座する菩薩半跏像が、新型コロナウイルス感染症感染拡大を防止するためとはいえ、5月11日まで拝観停止となってしまいました(4月25日に公表されました、とほほ・・・)
http://www.chuguji.jp/archaic-smile/
今回、コチラの仏像とならび、拙著<p155>でも紹介していた、聖林寺の十一面観音菩薩立像と浄瑠璃寺の吉祥天立像とともに拝観しようと目論んでいたので、無念この上ない心境です
http://www.shorinji-temple.jp/
http://www.0774.or.jp/temple/jyoruriji.html
☆拙著は現時点で下記サイトには在庫があるようです。ご活用ください
https://amzn.to/3fLtqga
https://books.rakuten.co.jp/rb/16427209/
そんな残念な状況ではありますが、法隆寺の魅力といえば、仏像のみならず、その建造物も突出しています
特に西院伽藍は、世界最古の木造建築物群として、輝きを放ち続けています
そんな法隆寺の金堂大修理をはじめ、薬師寺の西塔の復元等を果たした最後の宮大工棟梁とも謳われた西岡常一さんが語り下ろした1冊が、本日紹介する文庫本です
『木に学べ 法隆寺・薬師寺の美』 西岡常一 著 小学館文庫
棟梁の仕事は、「木のクセを見抜いて、それを適材適所に使う」こと
すべてのチームリーダーに向けて発せられた箴言とも捉えることができますし、Lead the Self という観点からすれば、自分自身の持前をしっかり把握し、その持前を適宜引き出して向かい合うという多重人格の心得に合い通ずる教えではないか
今回、再読して、そんな受け止め方もしていました
また、「道具を遣う心」という章を再読し、日ごろ、商売道具の一つであるノートPCやソフトの不自然な動きに、ブツブツ文句をたれている自分自身が恥ずかしくなってしまいました
西岡さんは、あとがきで、こんなこともお話しされています
「私どもの、仕事に対する考え方やおもい入れは、神代以来の体験の上に体験を重ねた伝統というものをしっかり踏まえて、仕事に打ちこんでますのやがな。」
「法隆寺は、聖徳太子が仏法の慈悲をもって国を治めようとなさった想いを継ぎ、多くの仏法者を養成するための道場としてその伽藍が建てられた。薬師寺もまた、天武・持統の両帝が、仏法興隆治国平天下の大願をもって建てられた大伽藍」
「その慈悲がわからなんだら、法隆寺や薬師寺のような心構えで造営された、魂のこもる寺に、観光でなく心から参拝して祈ってみて下され」
単なる仏像鑑賞目的で参詣するには勿体なさすぎる法隆寺の魅力とその価値
今回、中宮寺を拝観することは叶いませんが、新たな視点と向き合い方で、愉しんでみようと思います
今回もお役に立てれば幸いです
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